具体的な最新の研究内容は?
この最新の研究は、FDAとUSDAの研究者が、米国で牛乳の殺菌条件(温度と殺菌時間)が、H5N1型のHPAIウイルスの不活化に有効であるかどうかを検証したもの。そのために研究グループは、商業用の牛乳に使われる生乳のサンプルを、乳牛のH5N1型HPAIウイルス感染が報告されている4つの州の農場から計275点入手した。
これらのサンプルのRT-PCR検査から、158点(57.5%)はA型インフルエンザウイルス陽性と判定され、このうちの39点(24.8%)では感染性のあるウイルスが検出された。次に、これらのサンプルを人工的にH5N1型のHPAIウイルスで汚染した上で、米国で最も多く採用されているHTST法(72℃で15秒間加熱)で殺菌した。その結果、牛乳が72℃で保持される前の最高温度(72.5℃)まで加熱される過程でウイルスが死滅することが確認され、この殺菌方法は大きな安全マージンを提供することが示された。
米政府高官の報告によると、現時点では、鳥インフルエンザウイルスは感染牛から他の動物へ、そしてウイルスで汚染された生乳の飛沫を通して3人の酪農作業員へと広がっているという。CBSニュースによると、USDAのH5N1型HPAIウイルス対策の上級顧問代理であるEric Deeble氏は、「生乳を搾乳されていた牛の中に、これまでにH5N1型のHPAIウイルス感染が確認された牛はいない」と語ったという。
Prater氏らは次の研究で、生乳から作られたチーズでの鳥インフルエンザウイルス感染の有無を調べる予定であるとしている。
なお、FDAによると、この研究結果は、査読を経て「Journal of Food Protection」に掲載される予定であるという。(HealthDay News 2024年7月1日)
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(参考情報)
Abstract/Full Text
https://www.fda.gov/media/179708/download?attachment
Press Release
https://www.fda.gov/food/alerts-advisories-safety-information/updates-highly-pathogenic-avian-influenza-hpai#May10th
構成/DIME編集部