電通は、生活者のエコアクションの活動実績をNFT(※1)を用いて記録。その記録に応じて生活者へのインセンティブを提供することで、生活者と企業・自治体がエコアクションを通してつながり合えるサービス「つながLOOOP(つながループ)※2」の提供を2024年8月より開始する。
環境に良い活動を無理なく、楽しく継続できるように支援
今回、各地域の新聞社が主催して、2024年6月から全国各地で開催されている参加型アクションプログラム「TOYOTA SOCIAL FES!!2024」(協賛:トヨタ自動車)の、一部地域において、「つながLOOOP」との連携が決定した。
同社では「『つながLOOOP』は、生活者とさまざまな企業・自治体をつなぐデジタルプラットフォームとして、環境に良い活動を無理なく、楽しく継続できるように支援していきます」と説明している。
近年、ReFi(Regenerative Finance:再生金融)という、ブロックチェーン技術を用いて環境問題や社会課題を解決しようというムーブメントが世界各地で起こっている。
2030年のSDGs達成に向けて、生活者一人一人のアクションを記録・可視化し、社会貢献活動の持続可能性を高めていくことがますます重要になってきており、それを実現する技術として、ブロックチェーン・NFTなどが注目されているのだ。
「つながLOOOP」は、生活者が行ったエコアクションの活動実績証明としてNFTを発行し、活動実績のある生活者に対して、インセンティブを還元していくデジタルプラットフォーム。
たとえば古着リサイクル、ゴミ拾い、家庭での再生エネルギーの導入などを促進したい企業・自治体・各種団体が、このプラットフォームに参画することで、エコアクションに参加した生活者に参加証明を付与。
SDGsプロダクトの先行販売権や、就職に生かせる資格など、有形・無形のさまざまな特典を還元することができる。
■「つながLOOOP」の仕組み
「つながLOOOP」のサービス提供第一弾では、トヨタ自動車が2012年から協賛してきた地域貢献の取り組み「TOYOTA SOCIAL FES!!」の一部地域において、NFTを活用した先進性と、参加者に良いことが還元されるという「つながLOOOP」の仕組みを付加することによって、Z世代など若年層のさらなる参加を促進していく。
対象エリアの参加者は「つながLOOOP」のLINE上でNFTを取得し活動記録を蓄積できるほか、「サークルアップ(※3)」というサービスと連携することで、活動実績に応じたサークルアップポイントを獲得することができる。
このサークルアップポイントは、大学サークルの活動資金として使用可能だ。
同社では今回の発表に際して「当社は今後も、これまで培ってきたクリエイティビティや新しい技術の活用を通して、複数の企業・団体と生活者をつなぐことで、社会貢献活動を推進していきます」とコメントしている。
「TOYOTA SOCIAL FES!! 2024」概要
期間/2024年6月15日(土)~12月8日(日)
場所/全国56か所で実施。「つながLOOOP」が実装される地域は、北海道(札幌)・東京・大阪・奈良・香川
内容/「楽しみながら自然を守る」という志のもと、地域の未来を作る活動を全国で展開。川・湖・海・山での清掃活動、外来種駆除、植樹など、地域ごとに多様な活動を、各地方新聞社がトヨタ自動車、地元販売店、およびNPOなどと連携して企画・運営。
URL/https://toyotafes.jp/top/
※1 Non-Fungible Token(非代替性トークン)のことで、代替不可能なデジタルデータ。ブロックチェーン技術を活用し、デジタルコンテンツに、所有者、作成者、取引履歴などのデータをひもづけることで、データの唯一性・固有性を証明することが可能。「購入者であること」や「権利を持っていること」の証明書のような役割を果たす。
※2 「つながLOOOP」は、2021年に実施された食循環促進プロジェクト「eco-wa-ring Kawasaki」を前身としている。「eco-wa-ring Kawasaki」は、環境省「令和3年度地方公共団体及び事業者等による食品ロス削減・リサイクル推進モデル事業」に採択され、令和3年度単年事業として実施したものだ。
※3 2012年にサービスを開始した大学生向けアプリ。企業からのアンケートやインタビューに答えるとポイントが付与され、そのポイントをサークルの活動資金として利用できるサービス。390大学、4500サークルが登録している。
関連情報
https://www.dentsu.co.jp/news/release/2024/0710-010753.html
構成/清水眞希