「成長実感」は教習生のみならず職員の人間関係をも変えた
「ほめちぎる教習所」になってからの卒業アンケートには教習生たちのリアルな評価が並び始めた。実際のコメントをご覧いただこう。
卒業生コメント
『ほめて伸ばすという親の代にはなかった考え方を取り入れていて、とても達成感が湧いた』
『とにかく毎時間とても笑顔で教習を受けることができました。心配な部分もたくさんあったけど、その分たくさんほめてくださり凄く嬉しかったです』
『実技で自分では全く駄目だと思っていても、必ず一つ褒めてくれるところがいい』
『毎回褒めてくれることや最後には明るい気持ちで終われるようにしてくださることが嬉しかったです』
『大変だけど行きたくないとは思わずに頑張れたのは褒めてくれるからだと思う』
かつてない方針転換は、インストラクターと教習生の信頼関係を強くし、活気と明るさのある自動車学校へと変えた。
しかも、それだけではない。職員間の人間関係にも変化が。
「朝礼の時間を活用し、『人ほめ』と称して相手の良いところを見つけてほめる、というトレーニングを行っているのですが、普段からお互いのことを気にする習慣が身に付き、理解し合うことで自然と会話が増え、親睦が深まったと感じます。職場環境の改善にも効果抜群でした」
さらに、それまで厳しい指導を行なってきたベテランインストラクターからはこんな意外な一面も。
「大ベテラン勢こそ厳しい指導を経験してきた者たちで、近年ではZ世代と呼ばれる免許取得層との向き合い方に悩みを抱えていました。まして、ほめてのばす教習という新たな手法に適応してもらえるのか?離職を招いてしまうのではないか?と経営陣も心配していたんですが…」
「蓋を開けてみると大ベテランこそほめ上手!長年の経験からお客様の現状を見抜き、分析し改善する手腕に長けており、若手より多くのほめポイントを作ることが出来たんです。今では大ベテランインストラクターもお客様も、笑顔の教習で充実した日々を過ごしています」
「ほめちぎる」ためには認定が必要!?
今回の取材前、「ほめちぎる教習所」について調べていたところ、それを名乗るには「認定」が必要と知ったのだが…「認定」とはどういうことなのか?
「三重県の南部自動車学校様の定める認定基準を達成することで『ほめちぎる教習所』のグループ校として認定されるんです」
「条件としては卒業生にアンケート(5段階評価 感動・とても満足・満足・普通・不満)を取り、「感動」「とても満足」が2か月連続で90%以上となることが基準です。当校は令和6年3月と4月の2か月連続で達成し、認定を受ける事ができました」
そうだったのか。
実はもともと南部自動車学校が2013年から「ほめちぎる」指導を始めており、その指導に共感した帯広第一自動車学校が基準を達成。グループ校として認定されたという。
2024年6月時点で、全国5つの教習所が認定を受け「ほめちぎる教習所」という看板を掲げており、認定を目指している教習所は20校。それぞれ「ほめる教習」で免許取得をサポートしているとのこと。
さらに、帯広第一自動車学校では、全てのインストラクターが「ほめる達人検定3級」を取得しているという。一体これは?
「これは、『ほめ達!検定』と言って、一般社団法人日本ほめる達人協会が行なっているものなんです。あたりまえの中にある価値の発見をし、そこに光を当てる事によりみんなの笑顔を増やし、やる気と自主性を育て元気にする「TEAM」(仲間・組織)づくりのきっかけになる学びです」
「内容としては、「ほめる力」を学びながら受けられる検定試験で、3級では事前の準備や勉強は必要がなく、セミナーを受講することにより学べ、同時に検定も合格できるというユニークな仕組みです。とはいえ、決していい加減なものではなく、成果の実証実験もおこなわれている本格的なモチベーションアップのための検定です」
ちなみに、ほめ達!検定の公式サイトがこちら。
気になる方は是非チェックして欲しい。
「この検定は経営者や管理職者はもとより、教師や会社員、子育て中のお母さんや学生など、すべての人に役立つ資格です。皆さんもぜひ」(渡部さん)