「悲劇のバチェロレッテ」が生まれた本当の理由
この異例の展開に、SNSでは批判が殺到。男性陣が熱烈な求愛をする〝いつもの〟展開を期待していた視聴者が「こんなのバチェロレッテじゃない!」と思うのもごもっともだろう。
〝高学歴女性のモテなさ〟に言及しながらバチェロレッテ自身の力不足を指摘する声や、男性陣の覚悟のなさに呆れる声が多く見られた。
SNSではどの説も盛り上がっていたが、筆者は別の理由を考察したいと思う。
■バチェロレッテの構図をひっくり返す対等な関係
1人の魅力的な女性に対し、20人弱の男性が求愛をする――。これがバチェロレッテシリーズの基本構図である。
お金持ちで、高学歴で、容姿端麗。素晴らしい経歴を持つことがバチェロレッテの条件である一方、これまでのシリーズでは男性陣にそれらが求められることはなかった。参加男性が無職やフリーターであることを言葉巧みに〝それっぽく〟言い換えるのはシリーズのお家芸。実際、『バチェロレッテ1』に出演し、バチェラーを務めた黄皓さんも「(これまでのシリーズに参加した男性は)謎の実業家が多い(笑)」と自身のYouTubeで苦笑していた。
つまり、男女の意図的なアンバランスを生かして、恋愛を面白おかしく盛り上げるのがバチェロレッテのシステムなのだ(もちろん、バチェラーシリーズも然りである)。
それが一転、前述の通り、本シリーズの参加男性はハイスペックが多すぎる。自称・実業家レベルの肩書きではなく、バチェラーに選ばれてもおかしくない経歴の男性がうじゃうじゃ存在している。彼らは、日常生活ではおそらく〝選ぶ側〟であった可能性が高い。
したがって、相手がバチェロレッテであっても高揚感のある非日常に流されず、対等な関係で恋愛の可能性を探る男性が多かったのだ。
■対等な恋愛こそ「真実の愛」ではないか
SNSでは、バチェロレッテの容姿や振る舞いを「モテなさそう」と否定する攻撃的な意見も目立った。確かに広く一般的にモテるタイプではないかもしれないが、彼女は聡明で美しく、気品のあるバチェロレッテ然とした魅力的な女性だと筆者は思う。
ただ、今回は男性陣のスペックが高すぎた。ゆえに対等な関係(というか若干バチェロレッテが押される形の関係)が築かれていき、これまでにない「悲劇のバチェロレッテ」が誕生した。
とはいえ、本来長続きする恋愛とは、対等な関係の中で生まれるものである。その過程で、フったりフラれたりが起こるのは自然なこと。そうやって磨かれ、模索していくのが、真実の愛ではなかろうか。
『バチェロレッテ3』は批判の多いシリーズではあったが、番組が掲げる〝真実の愛を探す旅〟という目的は果たされているように思う。
ただ、最後にこれだけは言っておきたい。アマゾンさん、人選に気合い入れすぎです。
文/DIME編集部
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