アプリゲームで操作性や独自機能をチェック
では、実際にアプリゲームをプレイしながら、操作性やバッテリーの減り具合、本体温度について確認していきます。今回は「原神」にて、グラフィック設定は最高の状態でプレイしています。
■「空冷ファン」を搭載したREDMAGIC 9 Proの実力
REDMAGIC 9 Proの大きな特徴は、背面から確認できる空冷ファン。ゲームプレイ時や急速充電中など、本体が熱を発するシーンでファンが回り始めて排熱します。本体右側面のスイッチから「REDMAGICゲーミングスペース」を起動すれば、ファンの回転数なども設定できます。
1時間連続してゲームをプレイすると、本体がほんのりと温かくなるものの、持てなくなるほどではありません。空冷ファンがブンブン回っている音がするので、屋外でプレイする際には、少し配慮が必要になるかもしれません。
ゲームプレイ中にもグラフィック性能やCPU、GPUのパフォーマンスを設定可能。本体右側面にあるショルダートリガーを割り当てれば、コントローラーのL・Rボタンのように操作できます。
グラフィック性能やタッチ感度も良好で、操作は快適そのもの。インカメラが画面に埋め込まれているため、欠けのない映像が楽しめるのも魅力です。充電100%の状態から1時間のゲームプレイをしたところ、バッテリーの残量は1回目が82%、2回目が80%、3回目が83%でした。
■独自のゲーム機能と大型ベイパーチャンバーを搭載したROG Phone 8
ROG Phone 8は、大型のベイパーチャンバーに加え、「360° SoC Cooling System Gen 2」という冷却システム技術を採用しています。そのため、長時間ゲームを連続してプレイしても、本体温度が極端に上がることはありませんでした。体感ですが、REDMAGIC 9 Proと比較しても、温度はやや低いように感じます。
バッテリー100%の状態から1時間ゲームをプレイしたところ、1回目が83%、2回目が84%、3回目が81%で、REDMAGIC 9 Proとほぼ変わらない結果に。ゲーミングスマホならではのタッチセンサーも搭載されています。
ゲームを快適にプレイするための機能として、別のアプリ起動中にもバックグラウンドで周回ができる「バックグラウンドモード」、ゲーム内のテキストをキャプチャーできる「AI Grabber」などが搭載されています。ゲームプレイ時の環境設定は、「ARMOURY CRATE」アプリより細かく行えます。
個人的に気に入っているのが、ゲーム画面を表示する領域を、全画面、片寄せ、中央寄りと3段階に調節できる点。片寄せ表示では、インカメラでの画面欠けがなくなるのが魅力、中央寄りでは、画面端の誤タップを防ぐ効果があり、より快適にゲームをプレイできます。
また、本体下部に加えて、側面にもUSB-Cポートが搭載されており、本体を横向きに持つゲームのプレイ中にも、ケーブルが邪魔になりにくいのが特徴です。
■レイトレーシング性能の向上でゲームも快適なGalaxy S24 Ultra
Galaxy S24 Ultraは、今回試したスマホの中では唯一、ゲーミングスマホではないものの、ROG Phone 8と同様にベイパーチャンバーを従来モデルに比べて92%大きくし、放熱性能も改善しているため、高いグラフィック性能が特徴の端末です。
1時間ゲームアプリをプレイした後のバッテリー残量は1回目が83%、2回目が79%、3回目が83%。バッテリー容量自体は今回の3モデルの中で一番小さいものの、省電力性能が優れていることがわかります。
本体の発熱も控えめで不快感はありません。ただし、先の2機種と比較すると、長時間のプレイでは、若干ラグが発生するシーンが見られます。
ゲーミングスマホではないため、ゲームに特化した独自機能はあまりありませんが、AI機能を使った「かこって検索」はゲームアプリの起動中でも使用できます。
ゲームに特化したREDMAGIC 9 Pro、普段使いも快適になったROG Phone 8、AI機能が盛りだくさんのGalaxy S24 Ultra
ゲーミングスマホとして高い性能を持つREDMAGIC 9 Proですが、空冷ファンを搭載している関係から、防水防塵には非対応。おサイフケータイ機能も利用できません。
一方で、ROG Phone 8はIP65/IP68の防水防塵性能を持ち、シリーズ初のおサイフケータイ機能対応。ワイヤレス充電にも対応するなど、普段使いにおいても扱いやすいスマホになっています。ゲーミングスマホは、ゲーム特化の製品がほとんどの中、1台で幅広いシーンに対応したスマホとして、魅力的な端末といえます。
もちろん、Galaxy S24 UltraもIP68の防塵防水性能やおサイフケータイ機能、ワイヤレス充電に対応。オンデバイスとクラウドベースのハイブリット型AIを使ったGalaxy AIによる画像編集機能や文字起こし、自動翻訳機能など、ハイエンドスマホならではの魅力も多数あります。
販売価格は、REDMAGIC 9 Proが11万3800円~、ROG Phone 8が17万9800円~、Galaxy S24 Ultraが18万9700円~となります。価格面で見れば、REDMAGIC 9 Proが抜きんでて安いといえます。
3機種を簡単にまとめれば、ゲームに特化し、コスパも優秀なREDMAGIC 9 Pro。独自のゲーム機能に特化しながらも、普段使いもサポートしたROG Phone 8、バランスのいいハイエンドで、最新のAI機能も楽しめるGalaxy S24 Ultraといった印象。それぞれ特徴が異なるので、自分のスマホの使い方を鑑みての購入がおすすめです。
取材・文/佐藤文彦