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開放型派に聴いてほしい!密閉型とは思えない音の広がり感を楽しめるLayficToneのヘッドホン「The Industrial-ist WIRED」

2024.07.11

開放型好きに聴いて欲しい!

デスクトップで活躍中のS.M.S.L「SH-X」と標準プラグで接続してAmazon Musicのハイレゾ音源を再生した。最近、聴いているのはヨルシカ「晴る」だ。音数が少ないと寂しいボーカルになってしまうが、ややドライなボーカルとパーカッションで、解像度は高く、ボーカルのニュアンスが出る。Creepy Nuts「二度寝」では、早口のボーカルがなめらかでいて、滑舌良く、歌詞がハッキリと再生された。低域もハイスピードでもたつかない。開放型モニターのbeyerdynamic「DT990」では、この低域はもっとゆったりとした感じになる。このカチッとした密度感は密閉型ならではかもしれない。

バランス接続に変更すると、さらにボーカルの音像定位がシャープになって耳元近くに感じられる。ボーカルが重なり合って生まれる左右の広がり感もあいまいさがなく音の出どころが明確になった。これぞモニター用と思わせてくれる。ano「猫吐極楽音頭」はスピーカーで再生するより、ヘッドホンで聴いた方が頭の後方まで音に包まれ、没入感が得られた。

モニター用ヘッドホンの中には、音の粗をあばきだすような顕微鏡的な解像度があり、無色透明でクールな音を聴かせるモデルもあるが、「WIRED」はモニター用としての条件を満たしながら、音楽的にも楽しめるモデルに仕上がっている。その密閉型離れした音を、開放型好きの人にこそ聴いていただきたい。

先月からオプションで販売開始されたφ4.4mmのバランスケーブルも借用して試聴させてもらった

写真・文/ゴン川野

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