ホンダは、2024年6月28日(金)、コンパクトミニバンの新型「FREED(フリード)」を発売した。
写真左からフリード e:HEV CROSSTARとe:HEV AIR EX
この3代目となる新型フリードは、グランドコンセプトを「“Smile” Just Right Mover」とし、人びとの暮らしだけではなく、使う人の気持ちにも寄り添い、日々の暮らしに笑顔をもたらすクルマとなることを目指して開発された。
使い勝手を高めたパッケージング
パッケージングの面では、先代モデルでも好評のフリードならではの取り回しのしやすいボディーサイズを維持するため、2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」搭載による全長の拡大を45mm(3列シートの場合)に留めました。また、1列目のシート形状を工夫し、ウォークスルーや2列目シートへのアクセス性を向上するなど、さらに使い勝手を高めている。
さらにインホイールメーターの採用などにより、水平基調でノイズレスなダッシュボードを実現し、すっきりとした前方視界を提供。またベルトラインを水平基調とするとともに、前方から側面を連続性のある視界とし、さらに3列目席は、リアクォーターウインドウを四角基調に変更し先代モデルよりも窓の面積を拡大するなど、全席で明るく開放感を感じることのできる空間を目指した。
そしてフロントピラーの付け根をタイヤの真上に配置することで、タイヤの位置がイメージしやすく、車幅がつかみやすいデザインとした。またフロントピラーの一本化やドアミラーの位置の変更により、ななめ前方の視界をより向上させ歩行者を認識しやすくするなど、運転時におけるさらなる安心感を提供することを目指した。
加えて3列目シートは、座り心地の良さはそのままに、シート構造部の軽量化と薄型化を実現。また、シート跳ね上げ時の固定位置を低く、ほぼ垂直とすることで、荷室への張り出し量を最小限とし、畳んだ際のシート間の距離を現行より約160mm拡大した。それにより荷室の使いやすさと自由度がより向上している。
生活スタイルに合わせて選べる2タイプのデザイン
ユーザーの生活スタイルに合わせて選べるよう、上質で洗練されたシンプルなデザインのFREED AIR(フリード エアー)、力強く遊び心に溢れるデザインのFREED CROSSTAR(フリード クロスター)の2タイプを設定し、それぞれの個性をより際立たせた。
フリード e:HEV AIR EX スタイリング(フィヨルドミスト・パール)
フリード e:HEV AIR EX スタイリング(フィヨルドミスト・パール)
エクステリアデザインについては、クルマ全体をシンプルな造形かつ上質なデザインとするとともに、信頼感とクルマとしての使い勝手の良さを感じさせるスタイリングを目指した。フロントは、ヘッドライトやフロントグリルのシャープな造形により、凛とした表情を創出し、親しみやすさと所有する誇りを表現。
サイドは、ヘッドライトからキャラクターライン、リアライセンスガーニッシュまで、繋がりのある水平基調のラインで構成するとともに、高度なプレス技術によるシャープなキャラクターラインの造形を用いることで、シンプルでありながらクオリティーの高さを感じさせるデザインとした。
またリアは、安定感がありスタンスの良い台形のフォルムや、先代モデルより低い位置に縦基調に配置したリアコンビネーションランプなどにより、走りの良さや広い室内空間を外観からイメージできるデザインを目指した。
フリード e:HEV CROSSTAR スタイリング(デザートベージュ・パール)
フリード e:HEV CROSSTAR スタイリング(デザートベージュ・パール)
そしてフリードクロスターは、フリードエアーで作り上げた信頼感のあるデザインをベースに、クロスター専用のブラックのフロントバンパーやホイールアーチプロテクター、サイドシルガーニッシュ、また、高輝度シルバーの専用フロントグリル、リアロアガーニッシュ、ルーフレールなど、さまざまな専用装備を採用することで、フリードのもつ個性を生かしながらもアクティブな活動を後押しする力強さを表現している。
一方インテリアは、視覚的ノイズの少ないシンプルな構成とし、ストレスなく操作ができ、使う人がゆったりとした気持ちになれる空間を目指した。7インチTFT液晶メーターは、速度や現在時刻など、必要最小限の情報に絞り込んだシンプルな表示とし、見やすさとわかりやすさを追求。またセンターパネルは、運転に関する操作スイッチと空調などのスイッチを左右でゾーニングして配置することで、運転時も直感的にスイッチ類を操作できるようにした。
ハイブリッドとガソリンモデルをラインアップ
ハイブリッドモデルには、ホンダ独自の2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」をフリードとして初搭載。さらに1.5L DOHC i-VTECエンジンを搭載したガソリンモデルもラインアップしている。
そのe:HEVモデルのエンジンは、先代ハイブリッドモデルに対して燃焼を高速化し、フリクションを低減することで最大熱効率を40%以上に引き上げ、走りと燃費をより高い次元で両立させた。また、モーターならではの低速域からの力強い走りを提供しつつ、乗る人全員が安心できる穏やかでスムーズな走りを実現した。
一方ガソリンモデルでは、静粛性に優れたポート噴射エンジンを採用。CVTは、フリクションの低減により伝達効率を向上させるとともに、ローレシオ設定により多人数乗車時にもスムーズな加速を提供する。
そしてホンダ独自の「リアルタイムAWD」を、ハイブリッド・ガソリン両モデルに設定。雪上走行や悪天候時においても安定したドライビングを提供することを目指した。特にe:HEVとの組み合わせにおいては、モータードライブの特長である大トルクを、素早く最適に駆動配分することで、さまざまな路面環境でより安定感のある走りを提供する。
【販売計画台数】
6,500台(月間)
関連情報:https://www.honda.co.jp/FREED/
構成/土屋嘉久