100周年記念、beyerdynamic「DT 770 PRO X Limited Edition」
beyerdynamicは100周年を記念して密閉型モニターヘッドホン「DT 770 PRO X」の限定モデルを発売。プロモーションのために来日したグローバルセールスオペレーションマネージャーのGERHARD HERMANN氏は「伝統的なオーディオファイルはJBLやBeetなどの低音中心の音を好まれますが、若い世代も含めて低音だけでなく、フラットで解像度が高く、音場の広いモデルが好まれます。beyerdynamicはこれらの音の融合を目指しています。DT 770 PRO X LEの特徴は付け心地と頑丈さ、作りの良さ、すなわちビルドクオリティです。そして、我々の最先端テクノロジーを使った高効率なSTELLAR.45ドライバーを搭載しています。抵抗値は48Ωでどんな機器でも鳴らしやすくDAPとの相性も抜群です」と語った。
ドイツから来日したGERHARD HERMANN氏の好きなヘッドホンはDT 880だそうだ。もちろん、DT 770 PRO X LEも推している
「DT 770 PRO X Limited Edition」は記念モデルだが質実剛健なデザイン
Noble「FoKus APOLLO」、Meze Audio「LIRIC2」、オーディオテクニカ「ATH-WB LTD」
Nobleから初登場するワイヤレスヘッドホンFoKus「FoKus APOLLO」は、ダイナミック型と平面磁界型のハイブリッドタイプで、低音域をダイナミック型が中高域を平面磁界型が受け持つ。解像度と音像定位で優位性がある平面磁界型に、低音の量感を出すためにダイナミック型を加えた構成だ。ANC搭載で、LDACとaptX Adaptiveにも対応するという。付属品にはマイクもありゲーミング用にも使えることを示唆している。ANCの効果はかなり強く会場のノイズを抑え、粒立ちのいい中高域と量感のある低域を聞かせてくれた。左右の空間が広く、ボーカルの高域が刺さらずに心地よい。
Meze Audioからも密閉式の平面磁界型ヘッドホンの新作「LIRIC2」が登場。マッカサ・エボニーと呼ばれる天然木を使ったことで、より高級感が出た。ドライバーの高域のピークを抑えるためQWRMと呼ぶ独自技術が使われている。ケーブルはバランスと4.4mmのバランス用が付属する。価格は30万円前後になりそうだ。「LIRIC」と比較すると低域の重心が下がって男性ボーカルが力強く響く。S/N感がよく全帯域でなめらかだ。「LIRIC」は高域の解像度が高く粒立ちがハッキリした音で好みが分かれる所だ。
オーディオテクニカ「ATH-WB LTD」は世界限定300台の限定モデルで、無垢のフレイムメイプル、ウオルナット、マホガニーを組み合わせた3層ハウジングを採用。優れた音響特性と制振性が得られたという。フレームはアルミ合金の削り出しで、イヤーパッドとヘッドバンドはシープスキンを使っている。ケーブルは着脱式でコネクターはA2DCを採用。バランス用とアンバランス用のケーブルが付属する。ドライバーは60周年記念モデルで初搭載したφ45mm HDドライバーをベースに専用チューニングが施された。振動板はDLCコーティングされ、ケーブルは7N-OFCを使用している。ややウォームな音色で、左右の広がり感があり、コントロールされた響き、全帯域で優しい音で、中高域はクッキリとしていた。実勢価格約28万6000円。
4月6日から販売を開始したLayfic Tone「The Industrial-ist WIRED」はオプションとして4.4mmのバランス用を含むケーブルを各社に依頼して試作中。ちょっと試聴させてもらったが、やはりバランス接続では解像感の向上、そして音場感もよりリアルになった。これは発売が待ち遠しい。WIREDは製品が借用できたので記事化決定!
シンプルなデザインだが、どこか気品が漂うNoble「FoKus APOLLO」
Meze Audio「LIRIC2」は縞黒檀とも呼ばれる高級木材マッカサ・エボニーを採用
QWRMと書かれた金属パーツが追加され7kHzを超える帯域のピークを効果的に減衰させるという
オーディオテクニカの「ATH-WB LTD」は限定モデルにすることで逆に価格を抑えているそうだ
3層構造の天然木の模様が美しい! 各部の作りも凝っていて限定モデルを手にした所有感が満たされる
Layfic Tone「The Industrial-ist WIRED」はオプションのリケーブルを専門メーカーとコラボで開発中
写真・文/ゴン川野