関空ははっきりと「禁止」を打ち出す
首都圏の2空港よりも、はっきりとした声明を発表しているのは関西国際空港である。
公式サイトには、
「関西国際空港ではお客様同士の安全のため、電動スーツケースによる走行を禁止しております。皆様のご理解をお願い申し上げます」
と、ある。「お控え」や「ご遠慮」ではなく、明確に「禁止」と記載しているのだ。
同時に、成田・羽田・関西と空港毎に大きな温度差がある事実が確認できる。「空港内のスムーズな移動のため」というコンセプトで開発された電動スーツケースだが、実際にそれを利用できるか否かは各空港で分かれるのだ。
「態度の硬化」の可能性が大か
今後、可能性として考えられるのは「より硬化した空港の対応」ではないか。
右肩上がりのインバウンドの現況を鑑みると、国際空港はさらに混雑していくはず。つまり、各空港は電動スーツケースに対する態度を硬化させる(走行禁止の方向へ舵を切る)可能性は大いにあるが、逆に態度を軟化させる可能性は考えづらいということだ。
現在「やむを得ず使用される場合は」としている成田空港も、いずれは関空のような「走行禁止」に傾くのではないか。
また、この問題に国土交通省がどのような見解・対策を打ち出すのかも注目するべきだろう。
【参考】
成田空港における電動スーツケースのご利用について-成田空港
電動スーツケースのご利用について-羽田空港
関西国際空港では電動スーツケースによる走行を禁止しております-関西国際空港
取材・文/澤田真一