東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県からなる首都圏の各エリアにおいて、中古マンションの価格相場は前月比、前年同月比でどのように推移しているのか?
不動産情報サービスのアットホームはこのほど、「首都圏における『中古マンション』の価格動向(2024年5月)」を発表した。
本調査は、アットホームの不動産情報ネットワークで消費者向けに登録・公開された中古マンションの価格動向について、アットホームラボに調査・分析を委託したものだ。
首都圏8エリアの平均価格(前年同月比・指数の推移)
首都圏の1戸あたり平均価格は前月比が横ばい、前年同月比は7カ月連続で下落した。
エリア別の前月比は、埼玉県(さいたま市/埼玉県他)が5カ月連続で下落した一方、東京都下が4カ月ぶり、千葉県西部が13カ月ぶりに上昇するなど半数を超える5エリアが上昇した。
なお、最高額更新は東京23区が10カ月連続、神奈川県他が2カ月連続となっている。
■東京都(23区/都下)
23区の1戸あたり平均価格は5,257万円で前月比+0.8%と12カ月連続で上昇し、2017年1月以降最高額を10カ月連続で更新した。また、前年同月比は+6.2%と上昇したが、これは、築30年以内の全ての面積帯において平均価格が前年同月を上回ったことが一因となっている。
都下の1戸あたり平均価格は3,228万円で前月比+0.7%と4カ月ぶりに上昇した。一方、前年同月比は-0.2%と下落し3カ月連続の前年同月割れとなっている。
■神奈川県(横浜市・川崎市/他)
横浜市・川崎市の1戸あたり平均価格は3,392万円で前月比+0.1%と2カ月連続で上昇した。一方、前年同月比は0.1%と5カ月連続で下落したが、これは築30~40年の全面積帯、およびシングル向きを除く築40年超といった築年が古い物件において平均価格が前年同月を下回ったことが一因となっている。
神奈川県他の1戸あたり平均価格は2,656万円で前月比+0.6%と3カ月連続で上昇し、2017年1月以降最高額を2カ月連続で更新した。また、前年同月比は+1.6%と上昇し、3カ月連続の前年同月超えとなっている。
■埼玉県(さいたま市/他)
さいたま市の1戸あたり平均価格は3,271万円で前月比-2.0%と5カ月連続で下落した。また、前年同月比は-5.1%と5カ月連続で下落したが、これは大型ファミリー向きにおいて物件数割合10%以上の築年帯で平均価格が前年同月を下回り、特に築10~20年は10%を超える下落幅となったことが一因となっている。
埼玉県他の1戸あたり平均価格は2,471万円で前月比-0.3%と5カ月連続で下落した。また、前年同月比は-4.5%と下落し9カ月連続の前年同月割れとなっている。
■千葉県(西部/他)
西部の1戸あたり平均価格は2,796万円で前月比+0.3%と13カ月ぶりに上昇した。一方、前年同月比は-6.5%と7カ月連続で下落したが、これは物件数割合5%以上、10%以上および15%以上の全ての面積・築年帯で平均価格が前年同月を下回ったことが一因となっている。
千葉県他の1戸あたり平均価格は2,058万円で前月比-0.9%と下落した。一方、前年同月比は+3.2%と上昇し、68カ月連続の前年同月超えとなっている。
<調査概要>
不動産情報サービスのアットホーム株式会社の不動産情報ネットワークで消費者向けに登録・公開された中古マンションの価格動向について、アットホームラボ株式会社に調査・分析を委託し、アットホームが公表するものだ。
◆対象エリア
東京都(23区/都下)、神奈川県(横浜市・川崎市/他)、埼玉県(さいたま市/他)、千葉県(西部※/他)※千葉県西部:柏市、松戸市、流山市、我孫子市、市川市、浦安市、習志野市、船橋市
◆対象データ
不動産情報サイトアットホームで消費者向けに登録・公開された中古マンション(重複物件はユニーク化)
◆定義
・本調査では、上記対象データの「1戸あたり登録価格(売り希望価格)」を「価格」と表記している。
・コメントでは、30m²以下を「シングル向き」、30m²~50m²以下を「カップル向き」、50m²~70m²以下を「ファミリー向き」、70m²超を「大型ファミリー向き」としている。
出典元:アットホーム調べ
構成/こじへい