コロナ禍が収束した今。短期間のうちに複数回、感染症に罹患する「感染症ドミノ」が増えているという。その理由はいったい何なのか?
ヒューマン・データ・ラボラトリはこのほど、新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の収束および、感染症対策意識の希薄化が見られる世の中の感染症の流行状況について、医師544名を対象に「感染症流行の実態」に関するアンケート調査を実施し、その結果を発表した。
また、今回の調査結果を受け、医療法人社団五良会の五藤良将理事長が解説する実際の診療状況や「感染症ドミノ」を予防するポイント等についても併せて紹介する。
感染症に複数回罹る患者がコロナ禍以降増えていると約半数が回答
コロナ禍以降、風邪を含む感染症患者が増えているかを聞いたところ、47.8%の医師が「増えている」(とても増えている+やや増えている)と回答した。
また、同一の患者が感染症に複数回罹患するケースについても聞くと、45.2%の医師が「増えている」(とても増えている+やや増えている)と答え、約半数の医師がコロナ禍と比べて、「感染症を訴える患者」および「感染症に複数回罹患する患者」が増えていると回答していた。
専門医別(内科/小児科/耳鼻咽喉科)に見ると、小児科医で半数以上(50.7%)の医師が「感染症に複数回罹患する患者」が増えていると回答しており、特に子どもの間で複数回感染症に罹る現象が起こりやすい可能性が示唆された。
3か月以内(短期間)に複数回感染症に罹った回数は「2回」が約6割
同一の患者が3ヵ月以内(以下、短期間)で複数回感染症に罹ったケースで、最も多く感染症に罹った回数を聞いたところ、63.1%の医師が「2回」と回答した。
同一の患者がどのくらいの期間で複数回罹ると、感染頻度が多いと感じているのかを聞くと、「1ヵ月に2回以上」が最多で44.1%となった。1ヵ月に2回以上の頻度で感染症に罹る場合は、要注意と感じている医師が多いことがわかった。