厚生労働省によると(※)、共働き世帯数は2012年に1,054万世帯だったところ、2022年には19.7%増の1,262万世帯となっており、増加の一途を辿っている。
共働き世帯の中には仕事と育児を両立させている家庭も多い。仕事と育児を両立させるために勤務地の近くに住み、通勤時間をなるべく短縮させたいというニーズがある一方で、物件価格・賃料は近年都心を中心に高騰を見せている。
「LIFULL HOME’S(ライフルホームズ)」は、「共働き子育て世帯を対象とした理想の住宅立地」についての調査を実施。
住宅立地に関して子育て共働きをする人たちがどのような希望を持っているのかをアンケートで聴取し、その希望に合致する場所はどこなのかをLIFULL HOME’Sのデータベースから探し出したので結果をお伝えしよう。
住宅を選ぶポイントは1位「家の広さ、間取り」2位「駅からの近さ」3位「治安の良さ」
新型コロナウイルス感染症をきっかけにリモートワークあるいはハイブリッドワークが推進されたことで、「おうち時間が増した」とのコメントが多く見受けられる。
それに伴い、「家の広さ、間取り」(65.9%)、「日当たり・眺望」(48.2%)などの住み心地・居心地を重視する回答が上位に挙がっていた。
一方で、一部企業では「出社を原則」とする働き方にシフトする動きもあり、「通勤が増えて通勤時間がつらい」という声も散見された。通勤に関する回答も上位に入っており、中でも「駅からの近さ」(56.2%)が「通勤距離」(43.1%)を上回る結果に。
また、「縁のあるエリア」を選択した割合は少なく、自身にとって身近なエリアでなくても住宅やアクセスの条件が良ければ新たな街も引越しの検討対象に入ると考えている人が多いことがわかる。
通勤で許容できる電車乗車時間は「1時間未満」、乗り換えは過半数が「1回」まで
通勤における現在の電車乗車時間と(許容できる)理想の乗車時間を聞いたところ、現在・理想ともに最も多い回答は「30分以上1時間未満」(現在43.5%、理想43.2%)となった。
現在の乗車時間が「15分未満」または「15分以上30分未満」と答えた人の中でも31.0%が(許容できる)理想の通勤時間として「30分以上1時間未満」を選択している。
通勤時における乗り換えの許容回数は「1回」(53.1%)が最多となった。基本的には現在の乗り換え回数と同じ回数までは許容範囲と答える人が多い傾向にあったが、現状乗り換えがない人の中でも42.4%が「1回」の乗り換えまでは許容できると回答。
駅を選ぶ際に妥協できる条件の1位は「乗り換えが発生する」(62.6%)、続いて「急行が停まらない駅であること」(55.5%)、「徒歩分数が15分以上かかる」(50.4%)となった。
反対に過半数が妥協できないポイントとしては、「住居費が現在と比較して高くなること」(妥協できる33.3%)続いて「電車以外の交通手段(バスなど)を利用する」(同36.8%)が挙げられていた。
物価高騰を背景に住居費にかける金額を引き上げることに対してはナーバスになっている家庭が多いようだ。また、バスについては混雑などにより時間が読みづらいことが、子育て世帯に嫌厭される理由となっていると推察される。
通勤時間短縮のために住居を引越しするとした場合の月額予算については、「8万円以上12万円未満」(37.5%)が最多に。「8万円未満」(21.9%)が次に続き、「12万円未満」が過半数を占めた。