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「世間遺産」って知ってる?国内旅のローカル化で脚光を浴びるニッチな名所

2024.07.07

焼き物の町として知られる栃木県益子町の「世間遺産マップ」

栃木県の南東部に位置する芳賀郡益子町は、江戸時代末にはじまったとされる「益子焼」で知られる町です。

「益子陶芸美術館」など益子焼関連の施設はもちろん、ブルーベリー農園やイチゴ狩りができる道の駅など、子供連れで楽しめるスポットも点在しています。派手やかな観光地とは違いますが、ゆったりとした空気のなかで歴史と豊かな自然が感じられる観光地といえるでしょう。

そんな益子町では、自治体が主体となり世間遺産マップを作成・発信するなど、世間遺産をアピールする取り組みに力を入れています。

出典:ましこ世間遺産一覧|益子町公式ホームページ

益子町が公開している「ましこ世間遺産一覧」によると、現在までに登録されている世間遺産は57件。その内容は、歴史的な寺院、伝統ある神楽、祭り、山、森、樹木や巨石群まで、バラエティに富んでいます。

認定No.2|芳賀富士(大平山)

認定No.19|鹿島神社山本太々神楽

認定No.31|円通寺の紅葉と大銀杏

認定No.53|どんど焼き(上大羽)

世間遺産にはひとつひとつに認定ナンバーがふられており、個別の紹介ページでは行き方や歴史、登録への思いなどについて丁寧に解説されています。

知る人ぞ知る秘境やローカルスポットというのは、とにかく行き方がわかりにくいのがあるあるですが…これなら町外や県外からの観光客もスムーズにたどり着くことができそうですね!

紹介文からも、運営者の方や登録申請者の方の益子町への思い入れが伝わります。

世間遺産に詳しい益子町役場の方にお話を伺ってみた

ここからは、世間遺産の取り組みの背景やおすすめスポットについて益子町役場 生涯学習課 文化係のご担当者の方に伺ったお話をご紹介します。

――益子町で世間遺産への取り組みをはじめたのはいつ頃からでしょうか?

ましこ世間遺産については平成29年度(2017年)から認定制度を開始し、今年度で7年目を迎えます。現在では57件がましこ世間遺産として認定され、町内外にその魅力を発信しているところです。

――世間遺産の取り組みをはじめられた背景を教えてください。

「当たり前すぎて見過ごされている地域資源があるのでは」をきっかけに、身近な存在で生活に溶け込み、地域で愛され、将来にわたり守り伝えていきたい風土、風景、風習、食文化などを認定し、町内外にその魅力を発信して、交流を図っていくことを目的として開始されました。

――世間遺産の選定や認定はどのように行われているのでしょうか?

認定の手続きについては、自治会や育成会、その他団体単位で申請をしていただきます。ましこ世間遺産の対象としては(1)将来にわたり伝えていきたいもの(2)地域で愛され、継承されてきたもの(3)地域住民に認知され、地域を象徴するものとしており、有識者により構成される実行委員会で認定しています。

――この夏、旅行者におすすめのましこ世間遺産スポットはありますか?よろしければ理由と一緒に教えてください。

夏といえばお祭り。ということで今回は益子町で行われる祇園祭をご紹介します。

認定No.54|八坂神社祇園祭(益子祇園祭・天王祭)

例年7月23日から3日間行われる八坂神社祇園祭。この祇園祭自体も世間遺産に認定されています。祇園祭の一環として20日(土)には手筒花火が奉納され、陶芸の町に相応しい炎の祭典をご覧いただけます。

祭りの2日目は御神酒頂戴式の斎行。フィナーレは世間遺産に認定されている彫刻屋台の数々が一堂に会します。ぜひ一度足をお運びください。

その町にしかない「世間遺産」を観光資源に

ローカルだけど美しい景観や、歴史ある建物、伝統的な風習などを集めた「世間遺産」についてご紹介しました。

規模でこそ世界遺産には叶いませんが、だからこそ地域の特徴が色濃く残っていることも多く、土地にちなんだユニークなバックグラウンドを知るのも世間遺産の面白いところ。今回ご紹介した益子町のように、わが町の地域の宝である世間遺産を積極的に発信している地域も増えはじめているので、ぜひ探してみてください。

その土地にしかない観光資源を地域独自で発掘・管理し、自ら発信していく世間遺産は、地方に人を集めて活性化させる取り組みにもつながります。

この夏は、ローカルでニッチな名所を求めて、人ごみとは無縁なゆったり世間遺産巡りなんていかがでしょうか?

取材協力/栃木県益子町(生涯学習課 文化係)
Web

取材・文/黒岩ヨシコ

編集/inox.

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