連日の暑さで疲れが溜まる時期かと思います。疲れた時は「甘い物」、栄養ドリンクでもうひと頑張り、缶コーヒーや炭酸飲料で一服、無料の大盛りライスをがっつり…なんて思い当たる節はありませんか? 実は、これらも慢性疲労の要因なんだそうです。しかも、疲れやすい人は太りやすく、老化も早く、大病も患いやすい…。疲労を放置すれば、寿命まで縮まるとか!
東京・銀座のど真ん中にクリニックを構え、糖尿病やアンチエイジングの名医として日々患者に接する牧田先生。近年では著書累計200万部超を誇るベストセラー医師として、たびたびTVにも登場しています。超多忙であるにもかかわらず、若々しく、活気に満ち、スリムで肌つやもあり、とても73歳とは思えませんが、なぜなのでしょうか?
本記事では牧田先生の最新刊「疲れない体をつくる最高の食事術」から一部を抜粋し、牧田先生のように疲れ知らずの体を手に入れるヒントを解説していきます!
「疲労」「肥満」「老化」を防ぐ15の基本〈基本12〉塩分過多には野菜のカリウムで対抗
体がむくんでいると、だるく感じます。とくに、足がむくむと立っているのもつらいほどの疲労を感じます。
むくんでいるとき、その原因について「水分を摂りすぎたんだ」と考える人が多くいます。そして、むくみが収まるまで水分を控えようとします。
しかし、それをやってはいけません。
私たちの体の60%は水分であり、その水分は細胞の中や外に存在して重要な役割を担っています。新鮮な水をたっぷり摂り、体内の水分をいつも新しいものに入れ替えていくことは、健康維持にとても大切です。
水が余れば尿として体外に出るので、むくんでも水はしっかり摂りましょう。
それよりも、気にすべきは塩分です。実は、健常者のむくみの原因のほとんどは、塩分を摂りすぎたことにあります。
私たちの体に存在する血液と体液は、共に約0.9%の塩分濃度に保たれています。余った塩分は腎臓が濾過して尿に出しますが、摂りすぎれば腎臓の濾過キャパシティーを超えます。
すると、血液や体液の塩分濃度が上がりすぎないように、体は水を引き込みます。
血液中に水が引き込まれることで、血液量が増え血圧が上がります。一方、細胞の内外にある体液中に水が引き込まれることで、むくみが生じるのです。
ですから、塩分過多でむくんでいるときは、血圧に悪影響が出ているだけでなく、腎臓もひどく疲れていると考えたほうがいいでしょう。
こうしたことからも、普段の食事の塩分摂取量に無関心ではいけません。
2020年に改訂された日本人の一日の塩分摂取量の目安は、成人男性7.5グラム未満、女性6.5グラム未満で、それまでよりも0・5グラムずつ減っています。しかし、それでもWHO(世界保健機関)の基準5.0グラム未満よりも随分多いのです。
しかも、この日本のユルい基準を、多くの人が超えており、一日10グラム以上の塩分を摂っている人がざらにいます。
塩分は、まず摂りすぎないようにすることが大事です。
また、摂った塩分を排出することも重要です。
この排出を助けるのが、ほうれん草やにんじんなどの野菜に多く含まれる「カリウム」です。
カリウムはナトリウム(塩分)と対になって働き、細胞の中と外で体液の浸透圧を維持し、血圧や体液濃度の調整を行っています。
このとき、カリウムを多く摂ることで、浸透圧の作用で細胞内のナトリウムを体外に排出できるのです。
それによって、血圧は下がり、むくみも解消されます。
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いかがだったでしょうか?
牧田先生によれば身も心も若々しくいられる秘訣は、「すべて日々の食事にある」そうです。医学的、生化学的に正しい知識を身につけ、できることから少しずつ実践するだけで、牧田先生のように疲れ知らずの体を手に入れることができ、しかも太らず、老けずに、病気を遠ざけることができます。
名医が実践する「医学的に正しい食事術」が詰まった一冊「疲れない体をつくる最高の食事術」をぜひ書店でチェックしてみてください。
「疲れない体をつくる最高の食事術」
著者/牧田善二
発行/小学館
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牧田善二(まきた・ぜんじ)
AGE牧田クリニック院長・医学博士
糖尿病・合併症治療・アンチエイジング専門医1951年、北海道生まれ。北海道大学医学部卒業。地域医療に従事した後、ニューヨークのロックフェラー大学医生化学講座などで、糖尿病合併症の原因として注目されるAGEの研究を約5年間行う。
血中AGEの測定法を世界で初めて開発し、『The New England Journal of Medicine』『Science』『THE LANCET』などのトップジャーナルに論文を発表する。
北海道大学医学部講師、久留米大学医学部教授を経て、2003年から糖尿病をはじめとする生活習慣病、肥満治療のための「AGE牧田クリニック」を東京・銀座で開業。延べ20万人以上の患者を診ている。
著書に、シリーズ90万部超の『医者が教える食事術 最強の教科書』、10万部超の『糖質中毒 痩せられない本当の理由』ほか多数。著書累計は200万部を超える。
AGE牧田クリニック
構成/DIME編集部