連日の暑さで疲れが溜まる時期かと思います。疲れた時は「甘い物」、栄養ドリンクでもうひと頑張り、缶コーヒーや炭酸飲料で一服、無料の大盛りライスをがっつり…なんて思い当たる節はありませんか? 実は、これらも慢性疲労の要因なんだそうです。しかも、疲れやすい人は太りやすく、老化も早く、大病も患いやすい…。疲労を放置すれば、寿命まで縮まるとか!
東京・銀座のど真ん中にクリニックを構え、糖尿病やアンチエイジングの名医として日々患者に接する牧田先生。近年では著書累計200万部超を誇るベストセラー医師として、たびたびTVにも登場しています。超多忙であるにもかかわらず、若々しく、活気に満ち、スリムで肌つやもあり、とても73歳とは思えませんが、なぜなのでしょうか?
本記事では牧田先生の最新刊「疲れない体をつくる最高の食事術」から一部を抜粋し、牧田先生のように疲れ知らずの体を手に入れるヒントを解説していきます!
「疲労」「肥満」「老化」を防ぐ15の基本 調理法は「生」「蒸す・茹でる」がいい
動物はみんな、なんらかの「餌」を食べて命を繫いでいますが、火を加えて調理するのは人間だけです。
しかも、〝最近の〞人間だけです。
私たちの遠い祖先は、狩猟や採集で得られた食材を生で食べていました。本来、人間を含めたすべての動物にとって、それが自然なあり方なのでしょう。
加熱調理は、食材についた寄生虫や細菌を死滅させ、保存性を高めるという利点がある一方で、悪い変化ももたらします。その典型がAGEの増加です。
悪性の老化促進物質であるAGEは、糖質過多で血中にブドウ糖が増えることでどんどん生成されますが、食べ物からも体に入ります。食品そのものに含まれているだけでなく、加熱調理することで増えてしまうのです。
巻末に「AGE含有量」リストを載せましたが、同じ食材でも、揚げたり焼いたりと高温で調理すると、よりAGEが増えることがわかっています。とくに、肉や魚などタンパク質は、高温調理によってAGEが飛躍的に増えるという弱点があります(図(12)参照)。
詳しくは5章で説明しますが、「イミダゾールジペプチド」という優れた抗酸化物質が多く含まれることや、糖質が少なく血糖値を上げないという点で、肉や魚は疲労の予防・回復におすすめの食材です。
ですから、肉や魚は積極的に摂りたいのですが、なるべくAGEを増やさない調理法を心掛けましょう。一日の上限は7000KU(AGE量の単位)を目安にしてください。
寄生虫の心配がない魚は、刺身で食べるのがベストです。
肉や生食に向かない魚なら、揚げるよりも蒸したり茹でたりという食べ方をするといいでしょう。たとえば、鶏肉の場合、唐揚げにするより蒸し鶏や水炊きで。牛肉や豚肉も、焼くよりはしゃぶしゃぶを選びましょう。
ステーキやとんかつはときどき楽しむ程度にして、AGEを少なくする調理法で、より大きな疲労の予防効果を手にしてください。
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いかがだったでしょうか?
牧田先生によれば身も心も若々しくいられる秘訣は、「すべて日々の食事にある」そうです。医学的、生化学的に正しい知識を身につけ、できることから少しずつ実践するだけで、牧田先生のように疲れ知らずの体を手に入れることができ、しかも太らず、老けずに、病気を遠ざけることができます。
名医が実践する「医学的に正しい食事術」が詰まった一冊「疲れない体をつくる最高の食事術」をぜひ書店でチェックしてみてください。
「疲れない体をつくる最高の食事術」
著者/牧田善二
発行/小学館
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牧田善二(まきた・ぜんじ)
AGE牧田クリニック院長・医学博士
糖尿病・合併症治療・アンチエイジング専門医1951年、北海道生まれ。北海道大学医学部卒業。地域医療に従事した後、ニューヨークのロックフェラー大学医生化学講座などで、糖尿病合併症の原因として注目されるAGEの研究を約5年間行う。
血中AGEの測定法を世界で初めて開発し、『The New England Journal of Medicine』『Science』『THE LANCET』などのトップジャーナルに論文を発表する。
北海道大学医学部講師、久留米大学医学部教授を経て、2003年から糖尿病をはじめとする生活習慣病、肥満治療のための「AGE牧田クリニック」を東京・銀座で開業。延べ20万人以上の患者を診ている。
著書に、シリーズ90万部超の『医者が教える食事術 最強の教科書』、10万部超の『糖質中毒 痩せられない本当の理由』ほか多数。著書累計は200万部を超える。
AGE牧田クリニック
構成/DIME編集部