連日の暑さで疲れが溜まる時期かと思います。疲れた時は「甘い物」、栄養ドリンクでもうひと頑張り、缶コーヒーや炭酸飲料で一服、無料の大盛りライスをがっつり…なんて思い当たる節はありませんか? 実は、これらも慢性疲労の要因なんだそうです。しかも、疲れやすい人は太りやすく、老化も早く、大病も患いやすい…。疲労を放置すれば、寿命まで縮まるとか!
東京・銀座のど真ん中にクリニックを構え、糖尿病やアンチエイジングの名医として日々患者に接する牧田先生。近年では著書累計200万部超を誇るベストセラー医師として、たびたびTVにも登場しています。超多忙であるにもかかわらず、若々しく、活気に満ち、スリムで肌つやもあり、とても73歳とは思えませんが、なぜなのでしょうか?
本記事では牧田先生の最新刊「疲れない体をつくる最高の食事術」から一部を抜粋し、牧田先生のように疲れ知らずの体を手に入れるヒントを解説していきます!
「疲労」「肥満」「老化」を防ぐ15の基本〈基本5〉晩酌のすすめ。夜はゆっくり食べる
私にとって、夕食になるべく炭水化物を摂らないというのは難しいことではありません。それはたぶん、お酒を飲むからです。
肉、魚、大豆食品、野菜など糖質含有量の少ない素材でつくられた料理を食べながら、ワインを飲むのが私の夕食。米飯やパン、麺類などなくても充分にお腹がいっぱいになります。そして、疲れ知らずで翌日もばりばり働けます。
私はヨーロッパの国が好きでよく旅しますが、フランス人もイタリア人もスペイン人もワインをたくさん飲み、会話を楽しみながら食事に時間をかけます。食べている総量は多くても、ゆっくり食べるから血糖値が上がりにくいのです。
血糖値を大きく上げない方法として、早食いせず、とくに夕食で炭水化物を減らしたいなら、お酒は非常にいいアイテムです。お酒の効果については、『The American Journal of Clinical Nutrition』という医学誌に、興味深い研究論文が掲載されました。
その研究では、「白い(精製)パン」を食べた場合と、いくつかのアルコール(ビール、ワイン、ジン)を摂取したときの、血糖値とインスリン量の変化が調べられました。
すると、結果は左のグラフを見ての通り、パンを食べたときの血糖値が最も上がり、インスリンもたくさん分泌されているのです(図(11)参照)。
アルコール類を比較してみると、ビールがそれなりに上がっています。なぜなら、ビールは、ほかのアルコールと比べて糖質が多いからです。とはいえ、パンよりは低いのです。
注目すべきは、ワインとジンの数値です。食後血糖値もインスリン分泌量も、ほとんど上がりません。ウイスキーや焼酎などの蒸留酒も、ジンと同様と考えていいでしょう。
繰り返し述べてきたように、血糖値の乱高下が慢性疲労の原因です。
仕事や家事を終えた夕刻には、お酒を楽しみながらゆっくりと美味しいものを食べてください。
最近は食事に合うノンアルコール飲料もたくさん登場しています。アルコールが苦手な人は、糖質量に配慮したノンアルコール飲料を試してみるのもいいでしょう。
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いかがだったでしょうか?
牧田先生によれば身も心も若々しくいられる秘訣は、「すべて日々の食事にある」そうです。医学的、生化学的に正しい知識を身につけ、できることから少しずつ実践するだけで、牧田先生のように疲れ知らずの体を手に入れることができ、しかも太らず、老けずに、病気を遠ざけることができます。
名医が実践する「医学的に正しい食事術」が詰まった一冊「疲れない体をつくる最高の食事術」をぜひ書店でチェックしてみてください。
「疲れない体をつくる最高の食事術」
著者/牧田善二
発行/小学館
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牧田善二(まきた・ぜんじ)
AGE牧田クリニック院長・医学博士
糖尿病・合併症治療・アンチエイジング専門医1951年、北海道生まれ。北海道大学医学部卒業。地域医療に従事した後、ニューヨークのロックフェラー大学医生化学講座などで、糖尿病合併症の原因として注目されるAGEの研究を約5年間行う。
血中AGEの測定法を世界で初めて開発し、『The New England Journal of Medicine』『Science』『THE LANCET』などのトップジャーナルに論文を発表する。
北海道大学医学部講師、久留米大学医学部教授を経て、2003年から糖尿病をはじめとする生活習慣病、肥満治療のための「AGE牧田クリニック」を東京・銀座で開業。延べ20万人以上の患者を診ている。
著書に、シリーズ90万部超の『医者が教える食事術 最強の教科書』、10万部超の『糖質中毒 痩せられない本当の理由』ほか多数。著書累計は200万部を超える。
AGE牧田クリニック
構成/DIME編集部