連日の暑さで疲れが溜まる時期かと思います。疲れた時は「甘い物」、栄養ドリンクでもうひと頑張り、缶コーヒーや炭酸飲料で一服、無料の大盛りライスをがっつり…なんて思い当たる節はありませんか? 実は、これらも慢性疲労の要因なんだそうです。しかも、疲れやすい人は太りやすく、老化も早く、大病も患いやすい…。疲労を放置すれば、寿命まで縮まるとか!
東京・銀座のど真ん中にクリニックを構え、糖尿病やアンチエイジングの名医として日々患者に接する牧田先生。近年では著書累計200万部超を誇るベストセラー医師として、たびたびTVにも登場しています。超多忙であるにもかかわらず、若々しく、活気に満ち、スリムで肌つやもあり、とても73歳とは思えませんが、なぜなのでしょうか?
本記事では牧田先生の最新刊「疲れない体をつくる最高の食事術」から一部を抜粋し、牧田先生のように疲れ知らずの体を手に入れるヒントを解説していきます!
疲れ知らずの体を手に入れる10の鉄則〈鉄則9〉「ビタミンB群」をバランス良く保持
私たちの体は、食事から得られる糖質(炭水化物)、タンパク質、脂質という三大栄養素を、それぞれブドウ糖、アミノ酸、脂肪酸に分解・変換することで生命維持を行っています。その、分解・変換を補助する役割を主に担っているのがビタミンB群です。
そのため、ビタミンB群が不足すると、せっかく摂取した三大栄養素が生かし切れず、体の不調や疲労感が生じてしまいます。
疲労感が強いときに「アリナミン」などのビタミンB群が多く含まれるものを飲むと体が楽になったり、ビタミンB1とB2が豊富なウナギを食べたりすると「精がついた」と感じるのは、どちらも理にかなっているのです。
ビタミンB群は、B1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの8種類からなります。
なかでも、B1とB2は、エネルギー不足による疲労感や倦怠感を除去するために欠かせない成分です。とくに、B1は糖質から主要なエネルギーを生み出すために不可欠で、不足すると糖質由来のエネルギーに依存する脳や神経に悪影響を与え、疲労感や倦怠感をもたらします。
三大栄養素の中でも、糖質摂取量が多ければビタミンB1が、脂質を摂りすぎればB2が多く使われ不足しがちになります。また、お酒を飲みすぎると、アルコールを分解するための酵素だけでは足りなくなり、B1が使われます。
米飯が好きな日本人は、糖質過多の傾向にあるので、なおさら、意識的にビタミンB1を摂る必要があります。
米飯は、かつては玄米の状態で食べられていましたが、今はほとんどが白米です。
玄米の胚芽部分にビタミンB1が多く含まれているものの、白米に精製する過程で、それが失われてしまいます。ですから、米飯を食べるなら、白米より玄米のほうがいいということになります。
一方で、ビタミンB群は、たとえばB2とB6が、葉酸とB12が、互いに協力し合って働くという側面があります。
そのため、単独ではなくビタミンB群として一緒に摂取することが望ましいのです。
たとえば、豚肉にはビタミンB1が豊富です。それを単独で食べるより、ビタミンB6が多いニンニクや、ほかのビタミン類が多い野菜を加えて調理することで、疲労回復作用がアップします。
要するに、「疲れには豚肉が効くから」と大量に食べるのではなく、いろいろな食材と一緒に食べるのが賢い方法です。
■サプリメントはあくまで補助的に使用
ただし、ビタミンB群は水に溶けやすく、熱に弱い性質があります。
水洗いしたり茹でたりという調理の過程で、食材に含まれるB群は、残念ながら結構、失われてしまいます。
こうしたことから、ビタミンB群をバランス良く保持するのはなかなか大変です。とくに、食が細い人はどうしても不足しがちになります。
そういうときは、サプリメントを活用するのもいいでしょう。
たとえば、「ビタミンB群」「Bコンプレックス」「Bミックス」など、製造会社によって商品名はさまざまです。
成分表示を見て、バランス良く含まれているものを選ぶようにしましょう。
とはいえ、基本は日々の食事が肝心であることは言うまでもありません。
たとえば、野菜にはビタミン類だけでなく、食物繊維やミネラル、ファイトケミカルと呼ばれるさまざまな抗酸化物質が含まれています。
それらを丸ごと摂ることができるのが食事のメリットです。
サプリメントは、あくまで補助的に用いながら、まずは食事に対する意識を高めていきましょう。
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いかがだったでしょうか?
牧田先生によれば身も心も若々しくいられる秘訣は、「すべて日々の食事にある」そうです。医学的、生化学的に正しい知識を身につけ、できることから少しずつ実践するだけで、牧田先生のように疲れ知らずの体を手に入れることができ、しかも太らず、老けずに、病気を遠ざけることができます。
名医が実践する「医学的に正しい食事術」が詰まった一冊「疲れない体をつくる最高の食事術」をぜひ書店でチェックしてみてください。
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著者/牧田善二
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牧田善二(まきた・ぜんじ)
AGE牧田クリニック院長・医学博士
糖尿病・合併症治療・アンチエイジング専門医1951年、北海道生まれ。北海道大学医学部卒業。地域医療に従事した後、ニューヨークのロックフェラー大学医生化学講座などで、糖尿病合併症の原因として注目されるAGEの研究を約5年間行う。
血中AGEの測定法を世界で初めて開発し、『The New England Journal of Medicine』『Science』『THE LANCET』などのトップジャーナルに論文を発表する。
北海道大学医学部講師、久留米大学医学部教授を経て、2003年から糖尿病をはじめとする生活習慣病、肥満治療のための「AGE牧田クリニック」を東京・銀座で開業。延べ20万人以上の患者を診ている。
著書に、シリーズ90万部超の『医者が教える食事術 最強の教科書』、10万部超の『糖質中毒 痩せられない本当の理由』ほか多数。著書累計は200万部を超える。
AGE牧田クリニック
構成/DIME編集部