連日の暑さで疲れが溜まる時期かと思います。疲れた時は「甘い物」、栄養ドリンクでもうひと頑張り、缶コーヒーや炭酸飲料で一服、無料の大盛りライスをがっつり…なんて思い当たる節はありませんか? 実は、これらも慢性疲労の要因なんだそうです。しかも、疲れやすい人は太りやすく、老化も早く、大病も患いやすい…。疲労を放置すれば、寿命まで縮まるとか!
東京・銀座のど真ん中にクリニックを構え、糖尿病やアンチエイジングの名医として日々患者に接する牧田先生。近年では著書累計200万部超を誇るベストセラー医師として、たびたびTVにも登場しています。超多忙であるにもかかわらず、若々しく、活気に満ち、スリムで肌つやもあり、とても73歳とは思えませんが、なぜなのでしょうか?
本記事では牧田先生の最新刊「疲れない体をつくる最高の食事術」から一部を抜粋し、牧田先生のように疲れ知らずの体を手に入れるヒントを解説していきます!
慢性腎臓病の人の死亡率が跳ね上がる理由〈新型コロナの流行時も重症化〉
厚生労働省が発表している日本人の死因(2019年)について見てみると、1位がん、2位心疾患、3位老衰、4位脳血管疾患、5位肺炎、6位誤嚥性肺炎、7位不慮の事故、8位腎不全となっています(図⑧参照)。
ここで言う「腎不全」とは、腎臓の血液検査であるクレアチニンが異常値になった状態です。腎不全が進行してクレアチニンが8(mg/dL)以上で透析が必要になります。
それほど慢性腎臓病は怖いのですが、「死因8位ならたいしたことはないじゃないか」と感じる人がいるかもしれません。
しかし、それは誤った見方です。
実は、慢性腎臓病があると、心筋梗塞、脳卒中、がんなどのさまざまな病気に罹りやすくなることや、その進行・悪化を早めることが医学的に明らかになっています。
つまり、慢性腎臓病がある人は、腎不全で亡くなる前に、ほかの病気に罹り進行・悪化させ、命を失っている可能性が高いのです。
実際に、慢性腎臓病になると、それだけで死亡率が4倍跳ね上がることがわかっています。がんや心疾患、脳卒中などを心配するならなおさら、腎臓について注意をはらう必要があります。
また、慢性腎臓病があると、感染症にも弱くなります。
新型コロナウイルス感染症が流行した当初、世界中で多くの命が失われました。そのなかには、著名人も大金持ちもいました。一方で、感染しても症状が出ない人や、治療を受けられなくても軽症で済んだ人がたくさんいました。
■慢性腎臓病は見逃されがち
この違いはどこにあるのかについて、今後も研究は進むでしょう。
ただ、「持病があるかないか」が、一つの大きな分かれ目であったことは今のところ間違いないようです。
新型コロナに限らず、ほとんどの感染症において、「高齢であること」と「持病があること」は重症化の大きな要因となります。
では、「持病」とは具体的にどんなものを指すのでしょうか。
新型コロナの場合、テレビの解説などでは、真っ先に糖尿病や高血圧が危険因子として指摘されていました。
たしかに、糖尿病や高血圧の患者さんに重症化の傾向が高く見られました。
しかし、私は糖尿病や高血圧自体よりも、むしろ糖尿病や高血圧によって腎臓の働きが悪くなっていることこそが重症化を進めたと考えています。
また、腎臓が働かなくなって透析を受けている患者さんたちは、最大のリスクにさらされました。新型コロナが2類から5類に移行した後も、透析患者さんが感染した際の致死率は約2%と非常に高くなっています。
このように、非常に恐ろしい慢性腎臓病は、最初はなんの症状もありません。
だからこそ、多くの人が「疲れが溜まっているんだろう」などと見逃してしまうことが多いのです。
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いかがだったでしょうか?
牧田先生によれば身も心も若々しくいられる秘訣は、「すべて日々の食事にある」そうです。医学的、生化学的に正しい知識を身につけ、できることから少しずつ実践するだけで、牧田先生のように疲れ知らずの体を手に入れることができ、しかも太らず、老けずに、病気を遠ざけることができます。
名医が実践する「医学的に正しい食事術」が詰まった一冊「疲れない体をつくる最高の食事術」をぜひ書店でチェックしてみてください。
「疲れない体をつくる最高の食事術」
著者/牧田善二
発行/小学館
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牧田善二(まきた・ぜんじ)
AGE牧田クリニック院長・医学博士
糖尿病・合併症治療・アンチエイジング専門医1951年、北海道生まれ。北海道大学医学部卒業。地域医療に従事した後、ニューヨークのロックフェラー大学医生化学講座などで、糖尿病合併症の原因として注目されるAGEの研究を約5年間行う。
血中AGEの測定法を世界で初めて開発し、『The New England Journal of Medicine』『Science』『THE LANCET』などのトップジャーナルに論文を発表する。
北海道大学医学部講師、久留米大学医学部教授を経て、2003年から糖尿病をはじめとする生活習慣病、肥満治療のための「AGE牧田クリニック」を東京・銀座で開業。延べ20万人以上の患者を診ている。
著書に、シリーズ90万部超の『医者が教える食事術 最強の教科書』、10万部超の『糖質中毒 痩せられない本当の理由』ほか多数。著書累計は200万部を超える。
AGE牧田クリニック
構成/DIME編集部