連日の暑さで疲れが溜まる時期かと思います。疲れた時は「甘い物」、栄養ドリンクでもうひと頑張り、缶コーヒーや炭酸飲料で一服、無料の大盛りライスをがっつり…なんて思い当たる節はありませんか? 実は、これらも慢性疲労の要因なんだそうです。しかも、疲れやすい人は太りやすく、老化も早く、大病も患いやすい…。疲労を放置すれば、寿命まで縮まるとか!
東京・銀座のど真ん中にクリニックを構え、糖尿病やアンチエイジングの名医として日々患者に接する牧田先生。近年では著書累計200万部超を誇るベストセラー医師として、たびたびTVにも登場しています。超多忙であるにもかかわらず、若々しく、活気に満ち、スリムで肌つやもあり、とても73歳とは思えませんが、なぜなのでしょうか?
本記事では牧田先生の最新刊「疲れない体をつくる最高の食事術」から一部を抜粋し、牧田先生のように疲れ知らずの体を手に入れるヒントを解説していきます!
高血圧を軽視してはいけない〈塩分過多の食事で腎臓に負担〉
糖尿病の合併症以外で、腎臓を悪くする最大の因子は「高血圧」です。
高血圧と慢性腎臓病に関する研究は世界中でなされており、血圧が高くなれば腎臓が悪くなることがはっきりと証明されています。しかも、「ちょっと高め」くらいの軽度の高血圧でも、確実に悪影響を及ぼします。
ところが、高血圧も糖尿病と同様、健康診断で指摘されても多くの人が放置しているのが現実です。
高血圧症の診断基準として、上の血圧(収縮期血圧)が150あれば要注意です。しかし、それくらいではつらい症状も出ません。
ですから、「病院に行けば薬を飲めと言われるだけだ」「降圧剤は一度飲み始めたらやめられないと聞いた」などと理由をつけて治療を受けようとしないのです。
それでも、内心は気にしている人もいて、私もときどき「高血圧を放置していると脳の血管が切れたりしますか」などと聞かれます。
しかし、高血圧で心配すべきはそこではありません。上の血圧が150くらいあっても、そう簡単に血管は切れません。
でも、腎臓はやられます。しかも、「ちょっと高め」くらいでやられます。
2016年に中国の北京大学で、過去に世界中で行われた血圧に関する7つの研究結果を解析する試みがなされました。
それによると、上の血圧が120~139、下の血圧が80~90という高値レベルで、慢性腎臓病の発症リスクが1.28倍に上がったそうです。
ほかの研究機関からも、同様の報告がたくさん出ています。
すでに血圧が「高い」人はもちろん、「高め」の人も、じわじわと腎臓の機能が弱くなっていきます。そして、腎臓の働きが悪くなれば、慢性疲労から抜け出せなくなるだけでなく、がん、心筋梗塞、脳卒中などあらゆる病気に罹りやすくなり、かつ、その進行・悪化を早めます。
ですから、高血圧を軽視することなく、きちんと対処しましょう。
高血圧を呼ぶ原因は、ストレスや運動不足などもありますが、なんといっても食事内容が一番です。
とくに、塩分過多の食事は間違いなく血圧を上げます。
■加工食品の塩分に気をつける
血圧とは、心臓から送り出された血液が動脈の壁に与える圧力のことです。
塩分の多い食事を摂れば、ナトリウムが腎臓の濾過処理能力を超えます。そして、ナトリウムを尿に出せなくなり、血中のナトリウム濃度が上がります。
すると、体はナトリウム濃度を調節するために、血液中に水を引き込みます。塩分の多いものを食べると喉が渇くのはそのためです。
水を引き込むことで血管を流れる血液量が増えれば、血管に与える圧力が上がる、つまり血圧が上がるのです。
高血圧になると、腎臓をダメにするだけでなく、体がボロボロになります。
血液を送り出すために心筋は強い収縮を繰り返さねばならず、それだけでも疲れやすくなります。
血管には絶えず強いストレスがかかり、動脈硬化が進みます。
とくに、細い血管が多い腎臓や脳は、しっかり栄養が行き渡らなくなり、大きな影響を受けます。
なお、塩分過多の食事は、血圧を上げる以前の問題として、過酷な濾過処理を強いることで腎臓にダメージを与えます。
コンビニやスーパーの弁当や総菜、加工食品などには、かなりの塩分が含まれていることがあります。
よほど気をつけないと、みなさんの大切な腎臓を守ることはできません。
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いかがだったでしょうか?
牧田先生によれば身も心も若々しくいられる秘訣は、「すべて日々の食事にある」そうです。医学的、生化学的に正しい知識を身につけ、できることから少しずつ実践するだけで、牧田先生のように疲れ知らずの体を手に入れることができ、しかも太らず、老けずに、病気を遠ざけることができます。
名医が実践する「医学的に正しい食事術」が詰まった一冊「疲れない体をつくる最高の食事術」をぜひ書店でチェックしてみてください。
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著者/牧田善二
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牧田善二(まきた・ぜんじ)
AGE牧田クリニック院長・医学博士
糖尿病・合併症治療・アンチエイジング専門医1951年、北海道生まれ。北海道大学医学部卒業。地域医療に従事した後、ニューヨークのロックフェラー大学医生化学講座などで、糖尿病合併症の原因として注目されるAGEの研究を約5年間行う。
血中AGEの測定法を世界で初めて開発し、『The New England Journal of Medicine』『Science』『THE LANCET』などのトップジャーナルに論文を発表する。
北海道大学医学部講師、久留米大学医学部教授を経て、2003年から糖尿病をはじめとする生活習慣病、肥満治療のための「AGE牧田クリニック」を東京・銀座で開業。延べ20万人以上の患者を診ている。
著書に、シリーズ90万部超の『医者が教える食事術 最強の教科書』、10万部超の『糖質中毒 痩せられない本当の理由』ほか多数。著書累計は200万部を超える。
AGE牧田クリニック
構成/DIME編集部