連日の暑さで疲れが溜まる時期かと思います。疲れた時は「甘い物」、栄養ドリンクでもうひと頑張り、缶コーヒーや炭酸飲料で一服、無料の大盛りライスをがっつり…なんて思い当たる節はありませんか? 実は、これらも慢性疲労の要因なんだそうです。しかも、疲れやすい人は太りやすく、老化も早く、大病も患いやすい…。疲労を放置すれば、寿命まで縮まるとか!
東京・銀座のど真ん中にクリニックを構え、糖尿病やアンチエイジングの名医として日々患者に接する牧田先生。近年では著書累計200万部超を誇るベストセラー医師として、たびたびTVにも登場しています。超多忙であるにもかかわらず、若々しく、活気に満ち、スリムで肌つやもあり、とても73歳とは思えませんが、なぜなのでしょうか?
本記事では牧田先生の最新刊「疲れない体をつくる最高の食事術」から一部を抜粋し、牧田先生のように疲れ知らずの体を手に入れるヒントを解説していきます!
糖質過多は老化や病気にまっしぐら〈老化を促進するAGEの正体〉
糖質過多の疲れる食生活は、老化を促進します。
米飯やパン、麺類など炭水化物の多糖類も、砂糖のような二糖類も、消化の過程で全部ブドウ糖に分解されることは、前にも述べました。
ブドウ糖は、果物に多い果糖と並んで単糖類と呼ばれます。
この単糖類は、体の中のタンパク質とくっついて変性することがわかっています。その作用を「糖化」といいます。
そして、糖化によってAGEという極めて悪性の老化促進物質がつくられるのです。
私たちの全身の細胞には、AGEをキャッチするRAGEという「AGEの受容体」があるのですが、AGEがRAGEに結合すると、その部位には炎症が起き、活性酸素の発生も盛んになります。
活性酸素が発生すれば、細胞などが傷つき、機能が阻害される「酸化」が進行します。
実は、糖化と酸化は同時に起きる反応だということが、最近の研究でわかってきました。そのため、別々に扱うのではなく「酸化糖化反応(glycoxidation)」と呼ぶべきだという提唱がなされています。
こうした酸化糖化反応は、体を内側から疲れさせ、あちこちに慢性の炎症を持続させます。そうした変化は体のどこでも起きますが、目で見てわかりやすいのは、皮膚の疲れの象徴であるシワやシミです。
年齢を重ねると皮膚にハリがなくなってシワやシミが増えるのは、老化促進物質でもあるAGEがたくさんつくられているからです。
皮膚に限らず、筋肉も血管も内臓も骨も……私たちの体は、ほぼタンパク質でできています。
つまり、ブドウ糖が余分にあれば、あちこちでAGEがつくられる環境にあり、酸化糖化反応が起き、慢性炎症がどこでも生じるわけです。
慢性炎症は急性の炎症と違い、痛みや腫れなどの自覚症状がほとんどありません。
しかし、慢性炎症が持続することが、がん、心筋梗塞、脳卒中、アルツハイマー病、糖尿病、腎臓病、動脈硬化、骨粗鬆症などの恐ろしい生活習慣病を引き起こすことが明らかになっています。
ですから、糖質過多の食生活は、疲労を溜めるだけでなく、老化まっしぐらであり、あらゆる命に関わる病気への近道となるのです(図(5)参照)。
なお、AGEは糖質の多いものを食べることで体内でつくられるだけでなく、AGEを含んだ食品を食べることで外からも取り込んでしまいます。
とくに、高温で食材を調理することでAGEが増えることがわかっています。それについては、4章で詳しく解説します。
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いかがだったでしょうか?
牧田先生によれば身も心も若々しくいられる秘訣は、「すべて日々の食事にある」そうです。医学的、生化学的に正しい知識を身につけ、できることから少しずつ実践するだけで、牧田先生のように疲れ知らずの体を手に入れることができ、しかも太らず、老けずに、病気を遠ざけることができます。
名医が実践する「医学的に正しい食事術」が詰まった一冊「疲れない体をつくる最高の食事術」をぜひ書店でチェックしてみてください。
「疲れない体をつくる最高の食事術」
著者/牧田善二
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牧田善二(まきた・ぜんじ)
AGE牧田クリニック院長・医学博士
糖尿病・合併症治療・アンチエイジング専門医1951年、北海道生まれ。北海道大学医学部卒業。地域医療に従事した後、ニューヨークのロックフェラー大学医生化学講座などで、糖尿病合併症の原因として注目されるAGEの研究を約5年間行う。
血中AGEの測定法を世界で初めて開発し、『The New England Journal of Medicine』『Science』『THE LANCET』などのトップジャーナルに論文を発表する。
北海道大学医学部講師、久留米大学医学部教授を経て、2003年から糖尿病をはじめとする生活習慣病、肥満治療のための「AGE牧田クリニック」を東京・銀座で開業。延べ20万人以上の患者を診ている。
著書に、シリーズ90万部超の『医者が教える食事術 最強の教科書』、10万部超の『糖質中毒 痩せられない本当の理由』ほか多数。著書累計は200万部を超える。
AGE牧田クリニック
構成/DIME編集部