スマホ決済が増え、コンビニ決済は定着
――なるほど、日本はやや特殊なのですね!では今後、日本でのEC決済はどのように推移していくと分析されますか?
林 3つ、揚げてみましょう。一つ目に重要だと思われる点は、クレジットカード以外の代替決済手段を導入しておくことで、購入者のカゴ落ち(カート離脱)を防ぎ、購買率を上げるということです。
自社ECサイトを運営する事業者が増え、オンラインで買い物する層の広がり(年齢層など)が見えている中では特に、クレジットカード以外の代替決済手段を導入しておくことが重要だと思われます。
二つ目は、ECサイトで買い物をする時も、デジタルウォレットやスマホQRコード決済が増えるのではないか、と予想される点です。
これは総務省の調査(注3)でも明らかになった点です。スマホ普及率が世帯別で83.4%と伸びてきているので、日本国内でもデジタルウォレットやスマホQRコード決済がECサイトで買い物をするときに利用が増えることが予測できます。
三つめはコンビニ決済の定着です。今回の調査データでは日本特有の傾向として見えた点の一つですが、コンビニ決済の利用が定着しています。これは現金払いを好む一定層がいるために、コンビニ決済が上位にランキングしたと思われる点です。
――ありがとうございました。
クレカ一強時代ではあるものの、ECスマホ決済も伸びていた。林さんの「自社ECサイトを運営する事業者が増え、オンラインで買い物する層が広がり、クレジットカード以外の代替決済手段を導入しておくことが重要」という言葉は、説得力があった。
注1:日本クレジット協会の調査
注2:日本のクレジットカード利用率は世界4位
注3:総務省の調査
株式会社DEGICA
VP of Marketing
林浩一郎(ハヤシ コウイチロウ)さん
eコマース・決済業界のB2Bマーケティング領域に従事。日本発の決済プラットフォームとして開発・運営しているKOMOJUの国内及び海外展開のマーケティング・PR責任者としてブランディング・顧客獲得・CRM等の活動を推進。
※KOMOJU(コモジュ)は、購入モジュールの略称
https://ja.komoju.com/resources/konbini-whitepaper/
文/柿川鮎子