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常に全力で物事に取り組んでいると、ある日ふと「全部めんどくさい」「何もしたくない」といった気持ちになることがある。仕事に熱心なビジネスパーソンほど、このような状況に陥ってしまう傾向にある。
最近まで頑張っていたのに、「なぜ急に全部めんどくさいと感じるのだろうか」と自身の変化に戸惑いを隠せない人もいるだろう。
そこで今回の記事では「全部めんどくさい」「何もしたくない」と感じる理由や対策について解説していこう。
「全部めんどくさい」「何もしたくない」と感じる理由
まずは「全部めんどくさい」「何もしたくない」と感じる理由について解説していく。
人が「めんどくさい」「何もしたくない」と感じる大きな原因はストレスであるが、具体的には以下の通りである。
- 心も体も疲れている
- まじめで優しい性格
- 頑張る目的がわからなくなっている
- バーンアウト(燃え尽き症候群)
それぞれ解説していこう。
■心も体も疲れている
心と体は繋がっている。体に疲れが溜まっていると気分も沈んでいく。例えば辛いと感じている時には体が思うように動かないだろう。
精神的な疲労を感じている人は他の人よりも周りの変化に気付く気配り上手な人が多い。しかし、その分他の人よりも神経をすり減らしていることがある。
繁忙期や仕事でトラブルが発生している場合など肉体的に疲れやすい時期の場合、体が強制的に自分を休ませるために脳に「全部めんどくさい」と働きかけて休息を取らせることがある。
また、慢性的に疲労しやすい職場環境の場合は回復に時間がかかる。徐々に疲労が蓄積している場合も休息を取らせるために「何もしたくない」と思うよう、脳が働きかけている。
■まじめで優しい性格
まじめで優しい性格をしていると無気力の原因になることがある。それは他人を優先し、自分のことを後回しにしてしまうからだ。それゆえに一人で仕事を抱え込んだり、相手を傷つけないように言いたいことを我慢することも多い。
その結果気付かずうちに精神的に負荷を感じすべてが面倒に感じてしまうのである。その結果、自分の許容できるストレスを超えてしまい、「全部めんどくさい」という自暴自棄の状況に陥ってしまうことがある。
■頑張る目的がわからなくなっている
無気力な状態になっている原因として「目標・目的」を見失ってしまっている可能性も考えられる。これは根性論ではなく、毎日の小さな不満や我慢が積み重なり、無自覚に気力が削られている状態といえるだろう。
「頑張ったのに評価されない・認めてもらえない」など報われない経験が積み重なって「何をやっても無駄」と諦めてしまってしまうのである。
■バーンアウト症候群(燃え尽き症候群)
最も注意すべきなのが「燃え尽き症候群」だ。「燃え尽き症候群」は何かに集中して意欲的に取り組んできたが、プロジェクトがうまくいかなかった場合や業務負荷が減った時にやる気がなくなる症状を指す。
「何もしたくない」と感じている時は、一生懸命に取り組んだからこそ力を使い果たした状態である。この場合は無理やり何かをしようとせずにしっかり休み、気力を回復させて次の目標を見つけ取り組むことが重要だ。
「全部めんどくさい」「何もしたくない」時にやるべきことは?
続いて「全部めんどくさい」「何もしたくない」と感じた時に、どうするべきなのかを整理していこう。
■休むことに専念する
休むと決めたら、しっかりと休息できる環境や時間を持つことが大切である。ビジネスにおける休息は「戦力回復」の意味合いが強い。
回復不能なダメージを受ける前に状態を回復させることで、より高いポテンシャルで働き続けられるようになる。自分の心身のマネジメントは自分にしかできない。「休みも仕事のうち」と思って回復に専念しよう。
■心の整理
身体的な休息と並行して、やる気がなくなった理由と向き合ってみよう。自分にとって何がストレスだったのか、同じような状況が再び現れた時にどう対処すべきかなど、思いを巡らせてみよう。
うまく整理できない場合には、瞑想に挑戦してみるのも良い。瞑想が心の整理にとても有効なことは、世界中のビジネスエリートが瞑想や坐禅に傾倒しているのを見ても明らかだ。
■生活リズムを整える
朝日を浴びる、決まった時間に起床・就寝する、バランスのいい食事を心がけるなど日常の当たり前のことですが、こうしたよい生活リズムを毎日続けることで疲れが取れやすい状態にすることが大切である。
そのためにも周りの友人などに会ったり、適度な運動をしたりすることも生活リズムを整えリフレッシュするために有効な手段である。
「全部めんどくさい」「何もしたくない」場合は戦力回復に専念しよう
ビジネスの最前線で活躍している読者の方々にとって「休む」というキーワードは必ずしもポジティブに受け止められないかもしれない。だが、ビジネスにおける休息は「戦力回復」の意味合いがある。したがって、どうにもならなくなった時は心を整理して休む時間を設けてほしい。
労働と休息のバランスが高いレベルで取れることで、初めてポテンシャル高く働くことができる。
特に「全部めんどくさい」「何もしたくない」と感じている場合にはすぐに休暇を取ることを強く推奨する。それは心のアラートだ。心が骨折して数ヶ月の離脱を余儀なくされるよりは、数日の回復期間を設けた方が結果的にプラスになる。
繰り返しになるがこれは前向きな「戦力回復」だ。しっかりと休んで鋭気を養い、より活躍するための充電期間にしていこう。
文/太田 佳祐(おおた けいすけ)
人材系企業にて求人広告の営業や人材紹介部署の立ち上げやマネジメントを経験。転職し、新規事業部門にて新事業の立ち上げや採用業務に従事したのちに独立(ライター・カウンセラー・セミナー講師)。2021年に政治分野のハラスメント対策を行う法人を立ち上げ、2023年にフリーランスの事業を法人化。プロスポーツチームや自治体、企業や個人の目標達成を伴走型でしながら、ライターとしての執筆や講演活動も行っている。