職人社長・平松 明展氏が解説する「光熱費高騰対策9選」とは
今、電気代がどんどん上がっています。たとえ、高性能・省エネな家に住んでいても、電気代の単価が上がっているため、どうしても電気代が高くなってしまいます。
そのため、これ以上電気代が掛からないよう対策をしましょう。長いスパンで考えると、対策次第で数百万から数千万変わる可能性もあります。そこで、今回は「光熱費高騰対策9選」をお伝えします。
1.電力会社を見直す
最初にできる一番簡単なことは、電力会社の見直しです。電力会社は、電力大手10社だけでなく、ポイントが付いたり、太陽光発電とのセットで割引があったりなど様々な特徴を持つ電力会社もあります。
現在契約している電力会社に比べ、お得な会社があるか一度比較すると良いでしょう。もしかすると、使い方を何も変えずに電力会社を変えるだけでコストが下がることもあります。「価格.com」で電力会社も比較できるので、参考にするとよいでしょう。
2.省エネタイプの家電に変更する
環境省の「しんきゅうさん」がオススメです。このサイトでは、現在使っている家電から新しい家電に買い替えるとどれくらい電気代が下がるかシミュレーションできます。
省エネ家電に買い替えたら、何年で元が取れるかもわかるため、高い家電も買いやすくなります。様々家電製品を比較できるので、このサイトを使って検討してみてください。
3.照明をLEDに替える
白熱灯からLEDに替えると、消費エネルギー量は10分の1、寿命も10倍になります。トータルコストを下げる効果はかなり大きいため、白熱灯を使っていたら速やかにLEDに替えた方がよいでしょう。長寿命で省エネ性も高く、電気代の節約に繋がります。
但し、LEDは白熱灯に比べると目にやさしくないので、使い方・使用量などは調整してください。
4.高断熱カーテンを付ける
「ハニカム・サーモスクリーン」という断熱効果の高いブラインドカーテンがあります。横から見ると、ハチの巣のような筒状になっているので、そこが断熱層となり、断熱性が非常に高く、費用対効果も高いものになります。
但し、使い方を間違えると逆効果になることがあります。冬場は陽を取り入れたいですが、夏場は冷房負荷が増えるため、陽を取り入れたくありません。
冬の日中は、南面で断熱性の高いハニカム・サーモスクリーンを閉めてしまうと暖かい空気を止めてしまうため、開けておきましょう。日中は陽を取り入れて温度を上昇させますが、夜になると窓から熱が逃げてしまうため、下まで降ろして温めた空気を逃がさないようにすることが必要です。
夏は、東・西・北側でも陽を取り入れないよう日中閉めておくと日射遮蔽になり、外からの熱い空気が伝熱してくるのを止める効果があります。
5.シーリングファンを付ける
シーリングファンは、天井に取り付けるプロペラのような送風機で、吹き抜けのある家にオススメな節電方法です。
吹き抜けの天井にシーリングファンを付けると、空気を撹拌し上下の温度差を減らす効果があるため、冬場は暖房の設定温度を下げても快適な室温になります。
リビングと階段が繋がっている家は、階段の上に付けるとよいでしょう。また、賃貸で天井に穴を開けられなくても取り付けできる簡易的なシーリングファンもあります。
6.内窓を付ける
内窓は一番節電効果が高いです。なぜなら、断熱性能が低い家の一番の弱点は窓だからです。今ある窓の内側に内窓の枠を取り付け、ガラス障子を入れると内窓が付きます。
工事が簡単で他の工事と比べたら安く、断熱性能を上げる効果は一番大きいです。そのため、光熱費高騰の原因が冷暖房の場合は、まず内窓を付けましょう。補助金も出ます。
7.高性能住宅を選ぶ
家を建てる時に高性能の家を選ぶことが最もスムーズですが、その分費用が掛かります。また、今住んでいる家を高性能住宅にそっくり変えようと思うと、断熱性能や耐震性能を高めるために、性能向上リノベーションというかなり大掛かりな工事になり、1,500万円~2,000万円、場合によっては3,000万円掛かってしまうこともあります。
とても取り組みやすいとは言えません。しかし、まだ建てていない、長く大事に住みたいという方は、高性能住宅に変えることを検討してもよいかもしれません。
8.オール電化・太陽光発電
家の性能が高いという条件下でオール電化・太陽光発電を導入すると費用対効果は高くなります。
仮に、電気代を月3万円払っているとすると年間で36万円になりますが、その電気代が0円になれば、10年で360万円、20年で720万円、30年なら1,000万円以上変わります。そうするためにも、高性能、高耐震などの条件が揃った家には、太陽光発電とオール電化は非常にオススメです。
9.蓄電池・V2H
蓄電池は、太陽光発電で発電した電力を貯められ、夜間や電気代が高いなど必要な時に電気を供給できる装置で、V2H(Vehicle to Home)は、「車から家へ」という意味の通り太陽光発電で発電した電力を電気自動車などのバッテリーに充電し、家で使えるようにする機器で、災害対策にもなります。
どちらも150万円~300万円する高価なものなので、災害・停電対策をしたいという方にはオススメです。
電気代が高くなるにはいくつかの理由があります。電気代の単価以外にも、家の構造・設備や電力会社など様々な理由があります。それをきちんと分解し理解することによって、良い家づくりになり、それが良い人生づくりに繋がります。
関連情報
https://www.hiramatsu-kenchiku.jp/
構成/Ara