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今年の夏は最も暑かった昨年に匹敵する暑さになる?

2024.06.27

6月も終わりに近づき、間もなく7月を迎える。今年また夏がやってくるわけだが、今夏も平年に比べて暑い日が続くのだろうか?

ウェザーニューズはこのほど、「猛暑見解2024」を発表した。本発表によると、今年の夏(7~月)の気温は全国的に平年より高く、観測史上最も暑くなった昨年に匹敵する暑さとなる可能性があるという。詳細は以下の通り。

7~9月の平均気温は全国的に平年より高い

7月になると、これまで弱めだった太平洋高気圧の北への張り出しが強まり、7月中旬に梅雨明けするところが多くなる見込み。梅雨明け後は夏空が広がり本格的な暑さが訪れる。

また、8月にかけてチベット高気圧の日本付近への張り出しが強まる時期がある予想だ。このような時期には、猛暑日となる所が現れるなど、暑さが一層厳しくなるおそれがある。

9月になっても、太平洋高気圧の日本付近への張り出しは平年よりも強く、前半を中心に残暑が厳しくなる見込み。このため、一時的に暑さの和らぐタイミングはあっても、7~9月の平均気温は全国的に平年より高く、全国的に暑い夏になりそうだ。

図1.夏の気温傾向

昨年は7月後半から8月前半にかけて顕著な高温となった。これは、フィリピン近海の対流活動が活発になって、太平洋高気圧の張り出しが記録的に強まったことや、上空の偏西風が平年より北寄りを流れ、日本付近は暖かい空気に覆われやすかったこと等が影響したとみられる。また、北日本の高温には周辺海域の海水温がかなり高かったことも影響したと考えられる。

今夏の偏西風は平年並かやや北寄りを流れる予想で、日本付近は平年より暖かい空気に覆われやすい時期がある見込み。また、日本の周辺海域の海面水温は全般に平年より高く、特に北日本太平洋側の沖ではかなり高くなる予想だ。このため、大気下層が冷やされにくく、北日本を中心に高温をもたらす要因の1つになる可能性がある。

梅雨明け後の7月下旬~8月上旬を中心に高気圧に覆われて晴れて暑い日が多くなると予想している。昨年に匹敵する暑さとなり、本州の内陸部を中心に猛暑日を観測する地点数が多くなるおそれがある。

暑さのピークは7月下旬~8月上旬、8月末頃~9月前半は残暑が厳しい

7月下旬から8月上旬はフィリピン近海の対流活動が活発となり、本州付近への太平洋高気圧の張り出しが強まり、暑さのピークとなる予想だ。熱中症には十分な注意が必要だ。

この暑さのもう一つの鍵となるのがチベット高気圧だ。太平洋高気圧とチベット高気圧は広がる高度が違うため、同時期にチベット高気圧が日本付近まで張り出した場合は、太平洋高気圧と上空で重なり合って“ダブル高気圧”となり、二つの高気圧が非常に背の高い一つの高気圧のようになって厳しい暑さをもたらす。35度以上の猛暑日が続いたり、海風の入りにくい内陸部などでは40度前後の酷暑になったりすることがある。

また、8月末から9月前半も太平洋高気圧の日本付近への張り出しは平年よりも強めで、残暑が厳しい見込み。暑い期間が長くなるため、夏バテにならないよう体調管理が大切だ。

2つの高気圧とラニーニャ現象の見解

(1)太平洋高気圧:7月以降本州付近への張り出しが強まる

7月以降、太平洋高気圧の日本付近への張り出しが強まる。このため、西日本から北日本を中心に暖かい空気に覆われやすくなり、気温が高くなる見込み。ただ、フィリピン近海の対流活動が弱まる影響で、太平洋高気圧の張り出しも弱まり、8月には暑さが和らぐ時期もあり
そうだ。

(2)チベット高気圧:7~8月に日本付近への張り出しが強まる時期がある

チベット高気圧とは、北半球の夏季にチベット付近を中心に広範囲に広がる上空の高気圧だ。今夏は、日本付近で太平洋高気圧の勢力が強まる7月から8月に、チベット高気圧も日本付近に張り出しを強める時期がある見込みだ。これらの太平洋高気圧とチベット高気圧の張り出しが重なる時期は、猛暑となりやすい見込みだ。

図2.今年の猛暑ピーク時の天気図イメージ

(3)ラニーニャ現象の発生で残暑が厳しくなる可能性も

夏から秋にかけてラニーニャ現象が発生する可能性がある。その場合はフィリピン近海の対流活動が活発化する影響で太平洋高気圧の勢力が強まり、9月になっても日本付近は暖かい空気に覆われやすく、平年よりも気温が高くなることが予想される。その他、全球の平均気温が高くなっていることや、北日本周辺の海水温がかなり高いことも、暑さの要因になりえると考えられる。

図3.ラニーニャ現象の模式図

※本予報は6月24日時点のものだ。最新の見解は「ウェザーニュース」アプリまたはウェブサイトからご確認いただきたい。

出典:株式会社ウェザーニューズ

構成/こじへい

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