外出が控えられたコロナ禍では、密を避けるため美術館へ訪れる人が減少した。ではアフターコロナとなった現在の状況はどうなっているのだろうか。
国立アートリサーチセンター(略称:NCAR)は、美術館への来館頻度や情報認知経路、導入した方が良いと思う施設・サービスなどを調べるため実施した、「美術館に関する意識調査」の2023年度および過去年度の調査結果を公開したので、注目のポイントを抜粋してお伝えしよう。
コロナ禍前と比べた美術館来館頻度「減った」4割、コロナ禍前より減った理由は?
コロナ禍前と比べた美術館への来館頻度は、「変わらない」と「コロナ禍が始まる前(2019年頃)より減った」がいずれも約4割。「コロナ禍が始まる前(2019年頃)より増えた」は約1割にとどまっていた。
年代別でみると、60-70代は来館頻度が「減った」と回答した人が5割強、「増えた」は1割に満たない。一方で20代は「増えた」が3割弱と、他の年代と比べて顕著に高い結果に。
※設問「コロナ禍が始まる前(2019年頃)と比べて、美術館に行く頻度は変わりましたか。あてはまるものをひとつお選びください。」
※関東エリア本調査サンプル1,000と関西エリア本調査サンプル1,000を合算して割合を算出
「コロナ禍が始まる前(2019年頃)より減った」理由は、「コロナ禍で外出や人混みを避けるようになったから」が約7割で最多となった。コロナ禍に外出自粛が生活様式として浸透していたことがうかがえる。
※設問「あなたは美術館に行く頻度について『コロナ禍が始まる前(2019年頃)より減った』と回答しました。それはどのような理由からでしょうか。あてはまるものをいくつでもお選びください。
※「コロナ禍が始まる前(2019年頃)より減った」と回答した関東エリア392サンプルと関西エリア420サンプルを合算して割合を算出
調査概要
調査名:2023年度「美術館に関する意識調査」
調査方法:インターネット調査(外部調査会社が保有するアンケート調査モニターを使用)
調査エリア:関東1都3県(東京、千葉、神奈川、埼玉)
関西2府4県(滋賀、京都、奈良、大阪、兵庫、和歌山)
調査対象:20~79歳男女(各エリア スクリーニング調査:8,000サンプル、本調査:1,000サンプル)
調査期間(関東・関西共通)
・スクリーニング:2023年11月2日(木)~11月6日(月)
・本調査:2023年11月9日(木)~11月13日(月)
出典:国立アートリサーチセンター(NCAR)
構成/Ara