「つまらないものですが」の代わりに使いたい表現
「つまらないものですが……」は、相手にへりくだった気持ちを示す表現のため、決して間違っているわけではありません。しかし、相手によっては、「大したものではない品物をくれるなんて失礼」と受け取られてしまう可能性があるため、言い換えの表現を使うほうがよいかもしれません。
「つまらないものですが……」の代わりに使える表現としては、次のものが挙げられます。
・(お菓子などの食べ物の場合)お口に合いましたら幸いです
・気に入っていただけましたら嬉しく存じます
・ささやかなものですが……
それぞれの使い方をご紹介します。
■お口に合いましたら幸いです
お菓子などの食べ物を渡すときは、「つまらないものですが……」と言い切ってしまうと、「おいしくないものなの?」と相手に不安を与えるかもしれません。
しかし、「おいしいですよ」と自信たっぷりに言い切ってしまうのも謙遜がなく、あまりよい表現とはいえないでしょう。
「よいものではあるけれども、おいしいと思ってもらえるかはわからない」というニュアンスを表現するためにも、「お口に合いましたら幸いです」と言ってみてはいかがでしょうか。
【例文】
・長野県に旅行でお土産を買ってきました。お口に合いましたら幸いです。
・さくらんぼをお送りいたします。お口に合いましたら幸いです。
■気に入っていただけましたら嬉しく存じます
相手に気に入ってほしいという気持ちを伝えるためにも、「気に入っていただけましたら嬉しく存じます」と伝えるのもおすすめです。食べ物だけでなく、衣類や小物などの身につけるものをプレゼントするときにも使えます。
【例文】
・寒くなってきましたね。カーディガンをお送りしました。気に入っていただけましたら嬉しく存じます。
・リンゴジュースをお取り寄せしましたので、おすそ分けです。気に入っていただけましたら嬉しく存じます。
■ささやかなものですが……
「ささやか(細やか)」とは、控えめな様子や形ばかりで粗末な様子を意味する言葉です。謙遜して用いることが多いため、相手にプレゼントを渡す際にも使えます。
ちょっとしたお土産や、値段が高すぎないものを渡すときなら、過剰に謙遜していることにもなりません。
【例文】
・ささやかなものですが、お受け取りください。
・旅行に行ってきました。ささやかなものですが、お土産です。
参考:デジタル大辞泉
過剰にへりくだらずに気持ちを伝えよう
相手に尊敬の気持ちを示すために、へりくだるのは間違ったことではありません。しかし、過剰にへりくだっていると受け取られてしまうと、かえって相手に不快な気持ちを与えてしまうことがあります。
「喜んでほしい」という気持ちを素直に表現するためにも、「つまらないものですが……」以外の表現も使ってみてください。
構成/林 泉