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「お送りいたします」は敬語として正しい?シーン別の使い方や例文と合わせてチェック!

2024.09.17

「お送りいたします」という言葉は敬語として間違っていないか、心配になることもあるのではないでしょうか?

「送る」の謙譲語として正しい言葉であり、ビジネスの場で使っても問題ありません。今回は、「お送りいたします」を使う場面や例文、言い換え表現などを解説します。

「お送りいたします」の使い方は正しい?

ビジネスで相手に何か送ることを伝えるとき、一般的にお送りします」または「お送りいたします」と表現します。

しかし、送るのは自分であり、これに「お」をつけるのはおかしいのではないかと思うかもしれません。

はたして敬語として正しいのか、詳しくみていきましょう。

敬語として正しい

「お送りいたします」は、敬語として誤りではありません。「送る」は自分側の動作ですが、相手を立てる場合であれば、それに「お」や「御」をつけるのは謙譲語として正しい使い方です。

「いたします」は「する」の丁寧語であり、「お送りいたします」は謙譲語と丁重語の組み合わせであるため二重敬語でもありません。正しい敬語として使えます。

シーンにより使い分ける

相手に送ることを伝える敬語表現は、「送ります」と「お送りいたします」があり、使う場面により使い分けます。「お送りします」は「送る」を「お〇〇する」の形にした謙譲語であり、ビジネスの現場でも使える敬語表現です。

親しい同僚や友人などに使う場合、「お送りいたします」は堅苦しい印象になるため、「送ります」が適切です。

「お送りいたします」の「いたします」は、補助動詞「する」の謙譲語・丁寧語の用法で、より敬意を高めています。取引先や顧客など、より丁寧に表現したい場面で使うとよいでしょう。

さらに敬意を高めた表現に、「お送り申し上げます」があります。会話よりも文章に適した表現で、メールで最大限の敬意を表したいときに使うとよいでしょう。

「お送り」と「送付」「ご送付」の違い

相手に何かを送る場合の言葉には、「お送り」のほかに「送付」「ご送付」という表現があります。

「お送り」と「送付」はいずれも相手に送ることで、意味に違いはありません。名詞である「送付」の方がかしこまった印象があり、それに謙譲を表す接頭語の「ご」をつけた「ご送付」は、さらに敬意を表す表現です。

「お送り」はやわらかい印象で口頭でも使いやすく、「送付」はあらたまった印象のためメールに適しています。

使うシーンや相手に合わせて、使い分けましょう。

「致します」と漢字で書くのは?

「お送りいたします」の「いたします」を、「致します」と漢字表記するのは間違いです。

「する」の謙譲語である「いたす」は、補助動詞になります。補助動詞は動詞が本来の意味を失い、付属的な用法をする言葉です。別の動詞とセットになり、補助的な役割を果たし、補助動詞は一般的にひらがなで表記されます。

一方、「いたす」は「届くようにする」「至らせる」という意味の動詞で使う場合もあります。この場合の「いたす」は、「致す」と漢字で書くのが一般的です。

「お送りいたします」の例文

「お送りいたします」の正しい使い方は、例文をみて確認しておきましょう。

・請求書をお送りいたします。ご確認ください

・先日の資料は、後日お送りいたします

・先日ご注文いただいた〇〇をお送りいたしました

・データをお送りいたしましたので、ご確認をお願いいたします

・のちほど詳細を記載した書類をお送りいたします

・納品書をお送りいたしますので、ご査収ください

・ご自宅まで、車でお送りいたします

・詳しい内容は、メールでお送りいたしました資料でご確認ください

「お送りいたします」の言い換え表現

「お送りいたします」は、使うシーンに応じて表現を使い分けましょう。言い換え表現として、次のような表現があげられます。

・送らせていただきます

・送付いたします

それぞれ、詳しくみていきましょう。

送らせていただきます

「送らせていただきます」の「させていただく」は「させてもらう」の謙譲語で、丁寧語の「ます」をつけた敬語表現です。

「させていただく」は相手から許可を得て使う表現であり、相手に何かを送ることを伝え、許可を得たシーンで使います。何も許可を得ることなく、単に「送らせていただきます」を使うのは適切ではありません。

「お」をつけて「お送りさせていただきます」にすれば、より丁寧な表現になります。

(「送らせていただきます」の例文)

・お言葉に甘えて、資料を送らせていただきます

・詳しい内容は、お伝えしたとおりメールにて送らせていただきます

・ご注文いただきました商品を〇日の到着予定で送らせていただきます

ここで注意したいのは、「送ら(さ)せていただきます」という表現です。このような不要な「さ」を入れる表現は「さ入れ言葉」と呼ばれ、文法的に正しくありません。

使い方の正誤をみてみましょう。

・×座らさせてもらう→ 〇座らせてもらう

・×休まさせてください→ 〇休ませてください

なお、「いただきます」は補助動詞のため、「頂きます」と漢字表記にするのは誤りです。

送付いたします

「送付いたします」は、送るという意味の「送付」に謙譲語の「いたします」をつけた敬語表現です。

「お送り」よりもあらたまった表現のため、会話よりも文書に適しています。

より丁寧にしたい場合には、「ご送付いたします」を使いましょう。

(「送付いたします」の例文)

・申し込みの手続きに必要な書類を送付いたします

・ご請求いただいた見積もりをご送付いたしますので、ご検討ください

・ご依頼いただいた商品を、〇日付でご送付いたしました

「お送りいたします」は正しい敬語

「お送りいたします」は謙譲語の「お」をつけた、正しい敬語表現です。ビジネスシーンでは、会話や文書でよく使われる言葉です。

親しい間柄で堅苦しくない表現をしたいときは「お送りします」を、より丁寧にしたい場合には「お送り申し上げます」を使いましょう。

言い換え表現には「送らせていただきます」「送付いたします」などがあります。「送らせていただきます」は、さ入れ言葉にならないよう注意してください。

何かを送る場面では、シーンや相手に応じ表現を上手に使い分けましょう。

構成/須田 望

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