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職場における「アサーティブコミュニケーション」の重要性

2024.09.24

アサーティブコミュニケーションは相手に配慮しながら自己主張する手法であり、業務を円滑に進めるために取り入れたいと考えている方も多いのではないでしょうか?今回は、アサーティブコミュニケーションの意味や考え方、活用例などを解説します。

アサーティブとは?

アサーティブ(assertive)とは、自分の意見を率直に表現することです。一方的に主張するのではなく、相手を尊重しながら適切な方法で表現することを指します。

一般的には、「アサーティブコミュニケーション」という形で使われており、お互いを尊重しながら意見を交わすコミュニケーション方法のことです。

ここでは、アサーティブコミュニケーションについて詳しくみていきましょう。

参考:デジタル大辞泉

コミュニケーション方法のひとつ

アサーティブコミュニケーションとは、相手に配慮しながら、誠実・率直・対等に表現するコミュニケーション方法です。

人間関係が悪い場合、それは性格ではなくコミュニケーションスキルに問題があると考られます。

「本当に必要なことや伝えたいことを、適切な言葉で伝える」というスキルを身につけることで、相手を不愉快にさせず、自分もストレスを溜めない交流ができます。

アサーティブコミュニケーションの考え方

アサーティブコミュニケーションはスキルとしての側面もあると同時に、次の4点が考え方の根底にあります。

・誠実

・率直

・対等

・自己責任

どれだけ言葉を丁寧にしても、そこに相手を見下すような気持ちがあると相手に伝わってしまいます。一方、表現があまりうまくなくても、真摯な言葉はその気持ちが相手に伝わるでしょう。

誠実で率直な言葉で、真摯かつ対等に相手と向き合おうとすることが、アサーティブコミュニケーションの考え方の柱となっています。

アサーティブコミュニケーションの重要性

価値観の多様化やビジネスのグローバル化により、現代はさまざまな価値観を持つ人と働く機会が増えており、アサーティブコミュニケーションの重要性が高まっています。

相手と対等な関係で向き合い、率直なコミュニケーションを図るアサーティブの手法により、良好な人間関係を築いて働きやすい職場環境を作ることが可能です。その結果、生産性も高まるでしょう。

アサーティブでないコミュニケーションとは

アサーティブコミュニケーションを理解するためには、アサーティブでないコミュニケーションの具体例が参考になります。

ここでは、アサーティブではない典型的な3つのタイプをみていきましょう。

攻撃的なタイプ

相手の気持ちを考えず、自分の意見を一方的に伝えるタイプです。意見が食い違うと感情的になり、自分の意見を押し通そうとします。

自分の気持ちを率直に伝えるため、伝えた本人は満足できるかもしれません。しかし、相手は不快になり、疎ましく感じて主張を聞き入れてもらえない場合もあります。

自分が優位に立つことにこだわるために相手を委縮させ、良好な関係性を築けません。

作為的なタイプ

不満な気持ちを直接伝えず、態度で示そうとするタイプです。攻撃的タイプのように気持ちを表面に出さないため、一見すると冷静に見えますが、遠回しな言葉や思わせぶりな態度で自分の気持ちを伝えようとします。

直接の衝突は避けられるものの、相手には「嫌味な態度をとる人」という印象を与えます。良いコミュニケーションにはなりにくいでしょう。

受け身になるタイプ

相手に悪く思われることや対立することを恐れ、自分の意見をはっきり主張しないタイプです。自分のことよりも相手の気持ちを優先するため、相手に気を遣って自分の気持ちを抑え込むことも多く、相手が攻撃的タイプの場合は無理な主張でも受け入れてしまうことがあります。

相手の気持ちを尊重しているように見えながら、根底には「嫌われたくない」という気持ちが潜んでいます。

アサーティブコミュニケーションの活用例

ビジネスシーンでは、アサーティブコミュニケーションをどのように活用できるのでしょうか?

「上司から部下」「部下から上司」を例に、みていきましょう。

上司から部下へ

上司から部下に対するコミュニケーションは、攻撃的なタイプになってしまう上司は少なくありません。

「自分は正しい」「部下は言う通りに働いて当たり前」という考えが根底にあると、攻撃的で威圧的態度になりがちです。このようなコミュニケーションは部下を萎縮させてしまうだけで、何もメリットがありません。

例えば、部下がミスをしたことを指摘する場合、「いつもミスしている」「ミスをしないよう注意するように」といった非難や一方的な押し付けをすると、部下は仕事へのモチベーションを下げてしまいます。

アサーティブコミュニケーションによる対応例をみてみましょう。

「さっそく資料を作ってくれてありがとう。急がせてしまったせいか、ひとつ計算ミスがあったようだ。大きなミスは業務に影響することもあるので、時間が必要なときは遠慮せず相談してほしい」

ミスの指摘や注意に終わるのではなく、相手を尊重しつつ、事実を伝えて自分が感じていることや改善策を伝えるとよいでしょう。

部下から上司へ

部下から上司へのコミュニケーションは、どうしても受け身タイプや作為タイプになりがちです。

しかし、なんでも「わかりました」と受け入れていると、自分の能力を超えた仕事を抱え込むことにもなるでしょう。自分で手に負えなくなり、周りに迷惑をかけることにもなります。

例えば、現在の仕事が期限に間に合わない場合、アサーティブコミュニケーションでは次のように伝えるとよいでしょう。

「申し訳ありませんが、業務が今日中に間に合わないかもしれません。明日に延ばすことは可能でしょうか?難しければ、誰か手が空いている人に手伝ってもらいたいです」

現状をありのままに報告して、どのように対応してほしいかを伝えるとよいでしょう。​​

アサーティブコミュニケーションを身につけよう

アサーティブコミュニケーションは、相手に配慮しながら、対等に自分の考えや意見を伝えるコミュニケーションスキルです。

職場では、業務を円滑に進めるためにコミュニケーションが欠かせません。しかし、自分ではうまく交流できているつもりでも、相手にストレスを与えている場合があります。

相手の気持ちを尊重しつつ対等に意見交換ができるアサーティブコミュニケーションであれば、良好な人間関係を築けるでしょう。

構成/須田 望

 

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