上場株式を保有していると、定期的に「配当金」を受けとれるケースが多いです。株式投資を行う方は、配当金の仕組みや税制などを理解しておきましょう。
1. 株式の配当金とは?基礎知識を解説
株式の「配当金」とは、株式会社が得た利益の一部を株主に対して還元する形で支払う金銭です。会社法上は「剰余金の配当」といいます。
多くの上場会社は、株主に対して定期的に配当金を支払っています。
株式の配当金について、Q&A形式で基礎知識を確認しておきましょう。
Q. 配当金は必ず受け取れる?
Q. 配当金はいくらもらえる?
Q. 配当金はいつ支払われる?
Q. 配当金が多い銘柄を買うべき?
1-1. 配当金は必ず受け取れる?
株式の配当金は、必ず支払われるわけではありません。実施するたびに株主総会の決議を経る必要があり(会社法454条1項)、承認された場合に限って配当金が支払われます。
配当金を支払うかどうかの方針は会社によって異なり、全く配当金を支払っていない上場会社もあります。
1-2. 配当金はいくらもらえる?
配当金の額は、株主総会の決議によって個別に定めるものとされています(会社法454条1項1号)。したがって、支払われる配当金の額は、株主総会決議が行われるまで決まりません。
なお、上場会社は決算発表の際に「配当予想」を発表していますが、あくまでも予想に過ぎません。株主総会決議によって配当金の額が確定するまでは、後日に配当予想が修正されることもあります。
1-3. 配当金はいつ支払われる?
配当金の支払日(効力発生日)も、株主総会の決議によって個別に定めるものとされているので一概に言えません(会社法454条1項3号)。
日本国内の上場企業では、中間配当と期末配当の年2回配当金を支払う例が多いです。
この場合、期末配当は決算期のおおむね3か月後、中間配当は期末配当のおおむね半年後に支払われます。
なお、中間配当を行わずに期末配当のみとする例や、年4回の配当を行う例などもあります。
海外企業の場合は、日本とは異なるサイクルで配当が行われる例もよく見られます。たとえば米国の上場企業では、年4回の配当を行う例が多数となっています。
1-4. 配当金が多い銘柄を買うべき?
配当金が多ければ多いほど、投資対象として魅力的であるとは限りません。
配当金が支払われると会社から資金が流出し、事業成長に向けた投資などに振り向ける資金が減る側面があります。配当による株主還元に傾きすぎることなく、事業投資とのバランスを保つことが適切と考えられます。