ミニマルなスタイリングと優れた機能性を融合した、北欧ブランドならではの合理的かつ機能的なデザインで人気を博すTHULE(スーリー)。
カーキャリア分野で世界最大級のメーカーと知られるが、ベースキャリア、ルーフボックス、サイクルキャリア、パソコン⽤バックパック、アウトドアバックパックからベビーカーまで、〝運ぶこと〟に特化した本国スウェーデンで企画した製品を数多くラインアップする、世界を代表する総合キャリアメーカーのひとつだ。
オン・オフ兼用バッグ分野では、日本のビジネスパーソンからすでに高い支持を得ている。
写真上『Thule Crossover Backpack 32L Revival』(2万1450円)はまさにその好例。
ブランド初のバッグコレクションとして2010年に登場し、惜しまれつつも2021年に⽣産終了したベストセラーバックパック『Thule Crossover Backpack』の後継モデルだ。
日本国内からスウェーデン本国生産チームへ強く要望を続けたことで限定生産の許可が下りたといわれるファン待望のモデルであり、それを裏付けるように2023年11月中旬の販売開始から約6か月で、2年分の在庫を年内に売り切る勢いでヒットしているという。
日本国内におけるバッグ全体の売り上げは昨対比130%と快進撃を続ける、スーリーの展示会へDIME編集部が初潜入した。
スーリーを代表する2大コレクションがリニューアル
2024年春夏の展示会の目玉は『Thule Subterra』『Thule Paramount』という2つの人気コレクションの新作だ。
「『Thule Paramount』は先行して昨年10月に、『Thule Subterra』は今年5月から『Thule Subterra 2』としてリニューアルを果たしました。ラインアップを拡充するだけでなく、最も大きな変化は世界一厳格といわれるサプライチェーンの環境配慮型製造基準〝ブルーサイン〟の認証を得た製品として生まれ変わったことです」と、スーリーを取り扱うゼットでMDを務める安藤恵一さんは話す。
ゼット・MDの安藤恵一さん。バッグは『Thule Subterra 2 Backpack 27L』(2万6180円)
「我々が、今季力を入れて打ち出しているのが、『Thule Subterra 2』としてリスタートしたビジネストラベルに適したラゲッジコレクションです」(安藤さん)
リニューアル以前の『Thule Subterra』はヨーロッパ市場で最も人気のコレクションであり、日本国内においても好調を牽引するアイコニックな存在として認知を拡大しているという。
また、ほかのコレクションと異なり、バックパックやショルダーバック、トートバッグからキャリーケースまで幅広いアイテムを展開していることも特筆すべき点だろう。この分厚い布陣は『Thule Subterra 2』にも継承されるという。
「『Thule Subterra 2』は、スーリーの掲げるデザイン哲学〝Do more with less(少ないもので、何役もこなす)〟を最も体現したコレクションです。パッキングを効率化しつつ、様々なシーンで使⽤できるよう設計した、いわゆる〝考え抜かれた整理収納性〟と〝優れた汎⽤性〟。これらを都市生活になじみやすい流線形のシンプルなスタイリングに落とし込んだことが人気の理由だと分析しています」(同)
たとえば、このペットボトルホルダーを見て欲しい。
今ではビジネスリュックでも標準化された本体両脇のサイドポケットは、水分補給が欠かせない登山などで使用するアウトドアバッグに由来するデザインだ。
そのため、このポケットが目立ちすぎるとアウトドアテイストが色濃くなる。そこでスーリーは、背胴側の片マチをゴムバンドで抑え込むことで流線型のボディーとの一体感を図り、都会的に洗練されたシルエットを形作っているのだ。
では、ブルーサイン認証を得えたことでどう変わったのか?
「〝エコ〟という言葉にはいろいろな考え方がありますよね。かといって、リサイクル素材を使っているからエコでしょ?という単純な話では済まないですから。
素材は新品だって構わない。ただ、製造過程で環境に負荷をかけるような科学薬品を使わない生地であること、『Thule Subterra 2』がトラベルでも出張でもビジネスでも休日でも使えるようにひとつのバッグを多用途で活用できること、そしてそれを飽きることなく長く愛用できれば、それもエコでしょ?というのが、北欧ブランドであるスーリーの考え方なのです」(同)