受け取る時…置き配サービスを利用
エコメルカリ便では配送方法は置き配のみ、日時指定はできない。運送会社の再配達のコストを減らすことで、他のサービスより安い配送料金を実現できている。
どこが「エコ」なのか?
確かに出品時のストレスが減るのは間違いないが、なぜサービス名に「エコ」がついているのか?このサービスのどこがエコにかかわっているのだろうか?
理由は2つある。ひとつは、スマリボックスの集荷方法。
スマリボックスは三菱商事株式会社の食品流通・物流本部 物流開発部が展開するサービスであり、同グループ会社が運営しているローソンの巨大な配送網を利用している。ローソン店舗へは1日2回、生鮮食品の配送が行われているが、配荷が終わって戻るトラックの空きスペースで「スマリボックス」に入れられた荷物を運ぶ仕組み。既存物流網を活かした安価な物流コストで、CO2排出を抑制することもできるというわけだ。
もうひとつは、配送を置き配に限定していること。国土交通省の調査にのると、宅配便全体で再配達の割合は1割を超えていて、再配達にかかる時間は年間約1.8億時間。これはドライバー約9万人分もの労働時間いる。また再配達で排出されるCO2は年間で東京ドーム約170杯分というデータも…。
2024年3月28日に行われた「メルカリ 新配送サービス発表会」で、エコメルカリ便でメルカリと連携するSBS即配サポートの前⽥光治氏は、「エコメルカリ便はドライバーの労働環境改善や定着率向上につながり、今後のEC事業需要に応えていくインフラ構築にもつながる」と期待を表明。メルカリでは再配達を削減することで、配達員の労働時間は年間で24,360時間相当、さらにCO2排出量は年間約69トン相当が削減できると期待している。「エコメルカリ便」はまず、東京都(島しょ部除く)・神奈川県・埼玉県・千葉県でスタートし、対象エリアを拡大していきたい考え。今夏までに、東名阪エリアまでの拡大を検討中で、対応サイズも拡大する予定だという。
メルカリ 執行役員 SVP of Japan Region 兼 CEO Marketplace 山本真人氏は「メルカリはすでに日本の物流宅配の領域において社会的な影響が非常に大きい存在になっていると自任している。サステナブルな配送サービスは、メルカリグループが目指す循環型社会の実現に向けた大きな第一歩であると考えている」と語った。
メルカリ 執行役員 VP of Business Development / Logisticsの進藤智之氏は「メルカリはこれからも、より配送を便利にしていく計画を考えている。置き配が世の中に定着してスタンダードになってきたように、不在でも発送できる、『置き配達』を構想している」と語った。