今後の展開
今後の展開に関して、同社では以下のように述べている。
「今後は実験参加者を増やし、より信頼性が高い知見を得ていくとともに、競技等による手足の器用さ度合いの違いなどを明らかにしていきます。器用さの向上が容易に可視化できるため、スポーツジム、部活動、リハビリ施設などスポーツ分野や医療介護分野で、個人の器用さのモニタリングや評価などに活用することが期待できます。また、運動機能と脳情報処理の関係を探るツールとしての展開もめざします」
■用語解説
※1
器用さ:「器用な動き」は、身体部位(指、手、腕、足、体幹など)の「うまい動かし方(動きのコツ)」と「動きの安定性」という2つの要素が絡み合って実現している。一般には「うまい動かし方」に注目がされがちだが、動かし方は目的により千差万別だ。本研究では、どのような動きにも見られる「動きの安定性」に注目し、動きのばらつき度を定量化することで、手や足の「器用さ度合い」を見える化する方法を創出した。
※2
ばらつき度:周期運動における連続した2周期の3次元加速度軌道の違いを距離尺度で表現し、全周期に対して平均を求めた量。
※3
利き側、非利き側:利き手は、エジンバラ利き手調査法により判定した、書字をしたり、ボールを投げたり、日常生活で主に使う側の手。足の場合は、コーレン利き足調査法により判定した、ボールを蹴ったり、階段を上がるときの一歩目になる側の足。
関連情報
https://group.ntt/jp/newsrelease/2024/06/17/240617b.html
構成/清水眞希