自分自身がアバターに……?3Dフォトスタジオ
さて、ここまでは主に「観る」ものを紹介してきたが、「リトルユニバース オキナワ」のもうひとつの目玉、「3Dフォトスタジオ」をクローズアップしよう。
ここでは、最先端の3Dスキャナーを使い、別料金でマイアバターやフィギュアをつくることができるもの。さっそく、マイアバター(1500円)づくりに挑戦だ。
まず事前にアプリをインストールし、カメラの前に立つ。撮影後、モニターの指示に従って自分のスマホと3Dスキャンシステムを連動する。
次に「AVATAVI」というアプリを起動し、先ほど撮影したデータを読み込ませると、自分の3Dアバターを見ることができる。
アバターというと、各種サービスにあるような、自分でディテールを選んでつくりあげるものを想像する人が多いが、これはまごうことなく自分そのものだ。
しかもAVATAVIの機能で、動かしたり踊らせたりすることができる。
それだけでも充分面白いのだが、ここで先ほどのミニチュアに話を戻そう。
この「リトルユニバース オキナワ」がただのミニチュア施設ではない大きなポイントとして、自分のアバターをミニチュアの世界にて遊ばせることができるのだ。
最初の映え散らかし「かがみのこみち」で踊らせてみたところ(※本人は踊れません)。
琉球王朝ミニチュアの世界で踊らせてみたところ。
エヴァ初号機と記念撮影。
「麻布十番」でガリバー気分を味わう私(のアバター)。
デジタルアートのTHE Kaleidoscopeにも入り込ませてみた。
精巧なミニチュアを見るだけでも充分面白さはあるのだが、そこに自分の動くアバターが入り込むことで、よりミニチュアの世界へ没入できる。
他にもある!これでもかの没入体験
360°のプロジェクションマッピングのコーナーでは、首里城や首里金町石畳道、国際通り、やんばるの海など、沖縄を代表する風景を表現。時代や空間軸を超え、今は見られない風景や実際には見られない角度などから、沖縄をめぐることができる。
沖縄の創生から未来を表現したプロジェクションマッピングを見ながら、ゆったりと過ごすことができる芝生広場。かなりの広さ。
ほかにもキッズスペースやお土産ショップ、カフェがあり、ゆっくりくつろぐスペースもふんだんに。
施設全体の面積はコンパクトな印象なのだが、ミニチュアの世界があちこちに用意されているため、実際の面積より多くの体験ができる。時間がなければサラッとミニチュアを見て楽しむもよし、時間が許すようであれば、ぜひアバターを作ってあれやこれやとミニチュアの世界で遊んでみることをおすすめする。
日本らしい文化の発信基地として誕生した「リトルユニバース オキナワ」
想像もつかないような精巧なミニチュアに、アバターで入り込む面白さに、思わず長居してしまった筆者。
そもそもこの施設はどういう経緯でできたのか気になり、「リトルユニバース オキナワ」の広報を務める、株式会社リトルユニバースの堀田麻衣さんに話を聞いた。
――「リトルユニバース オキナワ」をオープンした経緯は?
堀田さん(以下、堀田)「リトルユニバースの経営母体であるアイム・ユニバースは本社が東京にあり、『世の為人の為になる』を理念とし戸建て販売や公共事業を請け負う不動産デベロッパーです。もともと沖縄に支社があり、社長が沖縄の素晴らしい文化を伝えていきたいという想いがあり、沖縄から世界へ発信するコンテンツビジネスを行う目的で、新しくリトルユニバースという会社をつくりました」
――ミニチュアを軸とした施設をつくったのはなぜですか?
堀田「日本にあるテーマパークというと、現状はディズニーランドやUSJなど、海外からのコンテンツが中心で、日本独自のもので有名なものがありません。
そこで、日本人の手先の器用さや、鑑賞するだけではなくデジタルで体験型のものを……という考えから、ミニチュアの体験型テーマパークという形になりました。
これらのミニチュアは、日本の有名なモデラーが手掛けており、かなりクオリティの高い仕上がりになっています」
どれだけ目を凝らしてもアラどころか、目を見張るような仕掛けが見つかる精巧なミニチュアは、トップモデラ―たちの手によるものだったのだ。
同時に、日本から海外へ発信していくにあたり、日本で有名なアニメコンテンツとしてのイメージが強く、キャッチ―な『エヴァンゲリオン』も取り入れた。
ずっと『エヴァ』のミニチュアコーナーが置かれるかはわからないが、短期間限定ではないとのことだ。
――もう1点気になっているのがマイアバターです。あんな、ぬるぬる動く自分のアバターが、1500円でつくれることに驚きました。あれは他にはないシステムでは?
堀田「3DアプリとAVATAVIは元々あるサービスですが、全くの別会社のものです。そのふたつを繋いで、自分の3Dアバターを動かすというサービスは、今のところ他にはないかと思います。
3Dを扱っていらっしゃるプロの方からは『こんなメタバース上でも使えるようなデータが1500円で保有できるなら、そのために旅費を払っても安いくらいだ』と言われました」
――オープンして少し経ちましたが、反響や課題は?
堀田「オープンしてから12日目でほぼ沖縄県内の方だけで、入場者数1万人を達成しました。ミニチュアを見るだけじゃなくて、こんなに世界に入り込めるんだねといった感想をいただいて、これからインバウンドの方や、本土からの観光客、修学旅行の誘致などのアプローチを考えていくところです。
靴を脱がせるスペースがあるので、オペレーションの問題など課題もまだありますが、沖縄の観光の新しいスポットとして広げていきたいですね」
筆者自身、行ってみるまで「ミニチュアがあるらしいけど、没入ってどういうことだろう…」と思いながら訪問した「リトルユニバース オキナワ」。
デジタルの没入体験というと、全面のデジタルアートに包み込まれるようなプロジェクションマッピングを想像するが、こんな自分がアバターになって、それを動かすような形での没入体験の形があるとは、実際に体験するまで思いもよらなかった。
帰りの日の飛行機までの空き時間などにもサッと寄りやすく、サッと見ることもじっくり遊ぶこともできる、沖縄の新観光スポット「リトルユニバース オキナワ」。屋内のため、天気にも関係なく遊べるので、沖縄旅の際には、ぜひ一度立ち寄って、この「新感覚」を体験してみてほしい。
■リトルユニバース オキナワ施設情報
住所:沖縄県豊見城市豊崎3-35 イーアス沖縄豊崎 アクアリウム棟3F
コールセンター:0570-098-333
営業時間:平日 11:00~19:00
土日祝 10:00~19:00
※最終受付 19:00
定休日:年中無休
ホームページ:https://www.little-universe.com/
Instagram:@littleuniverse_Okinawa
X:@Little_0429