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2つのものがうまく釣りあっていることを表す言葉に「兼ね合い」がある。「兼ね合い」はビジネスシーンだけでなく日常生活でも用いられる表現ではあるものの、正しい意味や使い方を把握せずに使っている人も少なくないはず。
そこで本記事では、「兼ね合い」の正しい意味と使い方、言い回しを解説する。後半に紹介する「兼ね合い」の類語も、ぜひこの機会に確認しておこう。
「兼ね合い」とは
まずは「兼ね合い」の正しい意味と例文を解説する。ぜひ参考にしてほしい。
■2つのものが均衡にうまく釣りあいを保つこと
兼ね合い(かねあい)とは、2つのものが程良いバランスをうまく保つことを指す。使われている「兼」は、「意味や物事をあわせ持つこと」を意味する。兼ね合いは均衡や平均などと同じニュアンスで使われる。
■まだ決断していないニュアンスを伝える場合も
使う場面によっては「2つのうちどちらを選ぶかすぐに決められない」という意味合いが含まれ、まだ決断していないニュアンスを伝えるケースもある。
例文としては、「参加人数の兼ね合いでイベントの開催を決定する」「子会社との兼ね合いを踏まえて決める」「予算との兼ね合いを考える」などが挙げられる。
「兼ね合い」の言い回しと使い方
次に、兼ね合いの言い回しと使い方を紹介する。日常的に使えるよう、正しい言い回しをチェックしておこう。
■1. 兼ね合いを取る
いくつかの物事の間を取り、一つに合わせることを意味する言葉だ。クライアント側と自社側の希望が同じでない商談時に、お互いの希望の間をとって契約を進めるときなどに使用する。
【例文】
「彼は仕事とプライベートの兼ね合いを取って生活している」
「あのサービスは、値段とクオリティの兼ね合いが取られていないようだ」
「残業時間と売上金額の兼ね合いを取ることを心がけたい」
■2. 兼ね合いを図る
物事からいいところをバランスよく取って、一つに合わせようと努力する様子のことを指す表現だ。「図る」は「そのことを実現しようと処置を考えること」を意味する。
【例文】
「これからは従業員のニーズの兼ね合いを図って労働環境を整えなければならない」
「この商品は、他部署との兼ね合いを図って開発を進める」
「原価と利益の兼ね合いを図ったうえで、商品の価格を安くする」
■3. 兼ね合いを見る
物事のバランスがとれているか、確認したい場合に使う言葉。物事のバランスを考えて結論を出すときに用いる。
【例文】
「仕事と趣味の兼ね合いを見る」
「改善して予測される効果と今の状態の兼ね合いを見て、人員増員を検討する」
「彼女は、収入との兼ね合いを見て保険の契約をするかを決めた」
■4. 兼ね合いが難しい
バランスよく間を取りたいのに、うまくいかない場合に用いる表現だ。
【例文】
「犬を飼いたいが、家族との意見の兼ね合いが難しい」
「システム導入のためには、人件費と効果の兼ね合いが難しい」
「趣味に集中しすぎて、仕事との兼ね合いが難しい」
■5. 兼ね合いをつける
物事の間が取れる状態にすることを意味する。調整時などに使う言葉だ。
【例文】
「仕事と恋愛の兼ね合いをつける」
「原価と品質の兼ね合いをつける」
「兼ね合い」の類語
最後に、兼ね合いの類語を紹介する。兼ね合いだけではなく、似たような意味の別の言葉も使えるように確認しておこう。
■1. 折り合い(おりあい)
互いに譲り合って解決することを意味する表現だ。
【例文】
「だいたい折り合いがついたようだ」
「先輩と折り合いが悪くなってきている気がする」
「転職サイトで企業に応募したが、希望の年収金額とスキルの折り合いがつかなかった」
「彼女は家族との問題に折り合いをつけた」
■2. 釣り合い(つりあい)
物事のバランスや調和がとれて、平衡になることを指す表現だ。
【例文】
「一見、釣り合いのとれたカップルに見えた」
「彼らは釣り合いがとれているようだ」
「彼女の豪華な食事や自宅は年収と不釣り合いである」
「政府は、若年層の要求と、老人の要求との釣り合いをとるのに大いに苦労することになるだろう」
■3. 均衡(きんこう)
二つ以上の物事の間で、重さ・力のバランスがとれていることを意味する言葉だ。
【例文】
「市長が交代し、この町の均衡が崩れそうになった」
「いつでも誠実に均衡を保つように心がけておこう」
「会社は昨年度の収支の均衡をはかり損ねた」
「収入と支出の均衡をとるようにしたら、貯金ができるようになった」
■4. バランス
釣り合いや均衡・調和、または 収支・貸借の釣り合いを表現する言葉だ。
【例文】
「仕事と趣味とのバランスをとるのは難しいと思っていた」
「栄養バランスのとれた食事は、健康を保つのに必要だ」
「体調のバランスを崩して風邪をひいた」
「イルカは頭上におもちゃを乗せて、重心のバランスをとっている」
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
文/編集部