Suicaスマートロック
JR東日本グループが運営する「ホテルB4T」。このホテルのルームキーに採用されているのが、Suicaを入退室の鍵として利用できる「Suicaスマートロック」だ。これは、JR東日本メカトロニクスと、入退室管理システムで実績を持つアート社が共同で開発したもの。JR東日本メカトロニクスのクラウド型ID認証サービス『ID-PORT』を用いて交通系ICカードのIDを暗号化することで、安全に使える。
「『Suicaスマートロック』は2019年にJR市ケ谷駅で実証実験を始め、22年からはマンションやオフィスビル、大型商業施設などにも導入されています。ホテルの客室キーとしてご利用いただけるのは『ホテルB4T』が日本初となります」(JR東日本メカトロニクス・舘野さくらさん)
直近ではJR東日本が提供する形で、能登半島地震の被災地にある避難所の入浴施設にSuicaスマートロックを活用。受付のログデータを被災者の安否確認として活用した事例もある。
「将来的には、Suicaで住戸の解錠などが行なえるシステムを目指します」(同・福本千尋さん)
家や職場のカギ、財布もすべてSuicaが担う未来はすぐそこだ。
モバイルSuicaの登録でスマートウオッチなどもルームキーとなり、ホテルではインキー防止や紛失防止に役立つ。複数の鍵の管理が1枚でできれば重い鍵束問題も解決できる。
ホテルでの活用例
Suica以外にも「ICOCA」や「SUGOCA」など各種交通系ICカードに対応する。将来的にはセルフチェックインなしでそのままルームキーとして使えるように。
活用先は続々と拡大!
現在は指定された清掃業者などの入退室に限定されているが、今後はエントランスキーなど、住民が利用できる場所への展開も進んでいくという。
取材・文/安藤政弘