日立グローバルライフソリューションズの「冷蔵庫カメラ」にアイリスオーヤマの「ストックアイ」シリーズ。この数年で、外出先でも冷蔵庫の中がチェックできるカメラ内蔵冷蔵庫が複数メーカーから登場している。
そんななカメラ内蔵冷蔵庫に今年はパナソニックも参戦。5月下旬にAIカメラ搭載の冷凍冷蔵庫 CVタイプを5月末から発売スタートした。後発となるパナソニックの「AIカメラ」は他社とどこが違うのか? 気になる実機をチェックしてみた。
CVタイプの価格はオープン。市場推定価格は容量525LのNR-F53CV1が37万円前後、容量457LのNR-E46CV1が34万円前後。写真はNR-F53CV1のヘアラインディープブラックモデル
カメラ冷蔵庫の弱みだった「トレーの下」まで撮影
パナソニックのCVタイプは、冷蔵庫を開くたびに本体上部のカメラで撮影。外出先でも冷蔵庫にある食材がチェックできるという製品だ。カメラは冷蔵庫外の天井部に配置されており、メインの冷凍室はもちろん、引き出し式の野菜庫と冷凍室が開いたタイミングなどで自動撮影する。買い物先で「あの食材はまだあったっけ?」と思ったときに、手元のスマートフォンで在庫が確認できるのが強みだ。
冷蔵庫内をアプリでチェックしたところ。ドアポケットは別に撮影される
「カメラで庫内を撮影し、外出先でいつでも庫内在庫をチェックできる」という機能は、国内他社のカメラ付き冷蔵庫すべてが同じ。ただし、新製品となるCVタイプは後発製品だけに進化している点も多い。そのひとつがハードウエアとしてのカメラユニットだ。ユニットの左右にLED照明、中央に広角カメラを配置。そして、広角カメラの左には挟角の望遠カメラ、右にサーモパイル(引き出しセンサ)を搭載。複数のカメラやセンサーで賢くキレイに庫内を撮影できるのだ。
撮影のタイミングにも工夫がある。引き出し式の野菜室や冷凍室は、(半開きなど)扉の開き具合によっては庫内がうまく撮影できないことも多い。そこで、CVタイプは引き出しの扉に識別用コードを配置し、引き出しがしっかり開いた最適なタイミングで撮影できるようにした。
ちなみに、引き出し式の野菜室や冷凍室は、通常食材整理用の浅型トレーで上下が区切られている。そこで、CVタイプはこのトレーにも識別コードをプリント。トレーが開いた瞬間を冷蔵庫が把握できるようになったことで、「トレーの内部」「普段はトレーで隠れているエリア」両方の状態がアプリで一覧表示できるようになっている。
アプリで野菜室をチェックしたところ。写真上部がトレーの写真、下がトレー下の保存エリア