シャープは、自社ハイエンドスマホの最新モデル「AQUOS R9」、エントリークラスの「AQUOS wish4」を発表。発売は7月中旬、7月上旬以降を予定しており、ドコモ、ソフトバンク(ワイモバイル)、SIMフリーモデルの展開が予告されています。
2製品は、価格帯こそ異なるものの、成熟してきたスマホ市場でユーザーが気にしていることや、感じていることを追求したデバイス。シャープ通信事業本部 本部長の小林繁氏は、「近年の経済環境も考えた、英知の結集」と、自信を伺わせています。
共通のデザインで日本ならではの良さをアピール
AQUOS R9、AQUOS wish4の両端末でまず注目したいのが、刷新されたデザインです。新たに背面左上に、緩やかな曲線デザインのカメラユニットを搭載しています。ハイエンドモデルとエントリーモデルで、共通のコンセプトが採用され、「これが今年のAQUOS」と感じさせるデザインです。
デザインは、デザイナーの三宅一成氏が担当。従来はシャープのデザイナーが担当してきましたが、AQUOSブランドを再定義する中で、外の風を入れ、新しい価値を形にするために協力してもらったそうです。
ジャパンモダンで、遊び心のあるデザインを意識したとのこと。本体の直線の中に、真円ではない〝自由曲線〟のカメラユニットを配置。レンズもあえて非対称に配置し、楽しさやワクワク感を表現しています。
〝効率型ハイエンド〟モデルとして手に届く上位モデルのAQUOS R9
AQUOS R9は、昨年「効率型ハイエンド」と称して発売された「AQUOS R8」の後続モデル。最上位モデルにふさわしい、1インチセンサーなどを搭載した「AQUOS R8 pro」の1つ下という位置づけで、ハイエンドモデルながら、求められる機能を絞り込むことで、手に届きやすい価格帯を目指したモデルとなっています。
執筆時点で正式な価格は公表されていませんが、SIMフリーモデルは10万円前後を想定しているとのこと。近年のハイエンドスマホの価格帯を考えると、比較的手を出しやすい製品であることが伺えます。
なお、今回は〝Pro〟を冠する最上位機種の発表がありません。経済状況からの判断ですが、今後、再びProモデルが登場する可能性は残っているようです。
搭載ディスプレイはシャープ独自の「Pro IGZO OLED」で、画面の明るさの進化がポイント。「点」の明るさと「面」の明るさの両方に注力しており、点の明るさは最大2000ニト、面は最大1500ニト。従来機種比で最大約4倍も明るくなっており、屋外での視認性が向上しています。
搭載チップセットはSnapdragon 7+ Gen 3。AQUOS R8にはSnapdragon 8 Gen 2が搭載されていたため、スペックダウンしたようにも見えますが、実際の処理性能はあまり変わらないとのこと。搭載メモリは12GBで、8GBの仮想メモリも利用可能。AQUOSシリーズとしては初めて、内部で液体と蒸気を循環させることで熱を拡散する放熱機構「ベイパーチャンバー」も搭載されており、パフォーマンス持続時間は最大80%UPしています。
カメラはおなじみとなりつつあるライカカメラ社監修で、今回新たに光学式手ブレ補正を搭載。AIによって被写体を追尾する機能や、映りこんだ影を除去する機能が利用できます。
AI機能として注目なのが、電話がかかってきた際に、「代わりに聞いときます」というボタンをタップすることで、アシスタントが留守電を要約し、テキスト化してくれる機能。電話の折り返しや、メッセージでの返信もワンタップでできるようになっています。