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今年4月の「検索時給」は平均1507円と5年で約2割増加、最低賃金上昇率を上回る

2024.06.19

60か国以上、28の言語でサービスを展開する世界的求人サイト、Indeedの日本法人であるIndeed Japan(以下Indeed)は、仕事を探す際に求職者が検索する時給(検索時給)の動向について、2024年4月時点でのデータを分析。結果をグラフにまとめて発表した。

本稿では同社リリースを元に、その概要をお伝えする。

検索時給:2024年4月時点で平均1507円。5年間で19.8%増加

2024年4月にIndeed上で検索された時給(検索時給)の加重平均は1507円で、2019年4月の1258円から5年間で19.8%上昇した。これは、パートタイムの時給実績(平均)(※2)や最低賃金(※3)の上昇率(それぞれ5年間で14.9%、11.4%)を上回っている。

労働市場における人手不足や継続的な物価高も背景に、2024年の春闘では時給の引き上げ率が前年比6.0%上昇(※4)しており、賃上げ機運はさらに高まっていることからも、求職者はより高い賃金を求めていると考えられる。

政府が2030年代半ばまでに最低賃金を1500円に引き上げることを目標にしているなか、既に求職者の希望時給額はその水準に到達しており、2024年の最低賃金の改定にはより関心が高まるものと推察できる。

※2:厚生労働省「毎月勤労統計調査(全国調査・地方調査)」
※3:厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」
※4:日本労働組合連合会「第5回回答集計(2024年5月2日集計、5月8日公表)

■都道府県別検索時給:金額は三大都市圏を中心に高く、上昇率は地方圏で高い

勤務地として検索されている都道府県別に、2019年(1〜12月)、2023年(1〜12月)、2024年(1〜4月)の検索時給と、2019年と2024年を比較した上昇率を調べた。

その結果、2024年の検索時給は、高い順に東京都(1612円)、大阪府(1579円)、北海道(1567円)、神奈川県(1544円)、愛知県(1510円)となり、3番目の北海道を除き三大都市圏が上位となった。

検索時給の水準が三大都市圏を中心に高いのは、生活費の高さや企業間の人材獲得競争がより激しいことによって賃金水準が高まり、連動して高賃金を得ることを求職者が期待するためであると思われる。

一方で、2019年からの検索賃金の上昇率でみると、高い順に沖縄県(34.2%)、島根県(33.1%)、北海道(32.2%)、宮崎県(30.8%)、熊本県(29.8%)となり、地方圏が上位となっている。これは、最低賃金の上昇率との相関を見ることができる。

都道府県別に2019年から2024年にかけての最低賃金の上昇率と、検索時給の上昇率を比較すると、最低賃金の伸びが大きかった(小さかった)地域ほど、検索時給の伸びが大きく(小さく)、比例している。

沖縄県、島根県は最低賃金、検索時給ともに上昇率が高い。

しかしながら、検索時給の上昇率(最低7%、最高34%)と最低賃金の上昇率(最低10%、最高15%)ともに、都道府県によって分散が大きく、ばらつきがあることもわかる。

2024年(1〜4月)の検索時給が上位の都道府県のうち、三大都市圏ではない北海道の場合、最低賃金の上昇率(2023年10月と2019年10月を比較)は11.5%であるのに対して、検索時給の上昇率(2023年10〜2024年4月と2019年10月〜2020年4月を比較)は26.9%と上回っており、検索時給の上昇率の高さは最低賃金の上昇が主な要因ではないと考えられる。

■都道府県別最低賃金と検索時給の差:全国平均では500円以上、新たな産業が活性化している地域で差が大きい傾向

2024年4月時点の最低賃金の全国平均は1004円で、検索時給1507円との差は503円に達する。

さらに勤務地として検索されている都道府県別に、2024年4月時点の最低賃金と検索時給の差を調べた。その結果、差が大きい順に福井県(587円)、沖縄県(581円)、熊本県(542円)、北海道(534円)、岐阜県(530円)となっており、全国平均の最低賃金と検索時給の差である503円を上回っている。

北海道においては、国内半導体メーカーの半導体製造工場建設や、インバウンド需要が急速に高まっているリゾートなど新たな産業の活性化が高い時給への関心を牽引していると考えられ、熊本県の半導体産業の活性化も同様であると言えるだろう。

また、最低賃金と検索賃金の差が大きい地域の特徴のひとつに、各県の最低賃金に対して物価(消費者物価地域差指数)が相対的に高いことが挙げられる。福井県や沖縄県はその特徴が当てはまる。

2024年2月にIndeed Hiring Labが公開したレポート「仕事探しにおける検索時給の動向:求職者の希望時給は1500円近くまで上昇」でも述べられているように 、全国平均価格を基準とした消費者物価地域差指数(※5)と最低賃金の関係を見ると、正の相関関係があるが、一部の地域では当てはまらず、最低賃金の設定が最新の物価変動を十分に反映していないようだ。

同レポートより、最低賃金が低い一方、物価が相対的に高く「生計が圧迫されやすい」と考えられる地域では、逆に最低賃金が高い一方で物価が相対的に安く「生計が圧迫されにくい」と考えられる地域に比べて、検索時給の上昇率が統計的に有意に高いことが明らかとなっている。

相対的に生計が圧迫されやすいと考えられる地域(にいる求職者)ほど、高い時給を求め、検索時給の上昇率が高くなることを示唆している。
※5:総務省「消費者物価地域差指数-小売物価統計調査(構造編)2022年(令和4年)結果-」

調査概要
調査/分析主体:Indeed Japan株式会社
調査/分析対象期間:2019年1月〜2024年4月
調査・分析方法/
・検索時給賃金の加重平均値の算定方法
→10円刻みの値を賃金帯として、賃金帯ごとに検索数及び賃金検索数全体に占めるシェアを計算。
→各賃金帯と上記シェアの掛け合わせで算出。※本分析では、日本で、Indeed上で検索された賃金に関連するキーワードのうち、時間給のみの検索を分析対象としており、月給や年収の検索は分析対象外である。
・各都道府県において、相対的に生計が圧迫されやすい地域どうかの区分方法
→消費者物価地域差数と最低賃金(時給)との線形関係から導出される信頼区間を算出(ロバスト標準誤差を適用)

関連情報
https://jp.indeed.com/press/releases/20240613
https://jp.indeed.com

構成/清水眞希

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