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ビジネスシーンにおける「スタック」とは?混同しやすい2つの意味と言葉の由来

2024.08.01

日常生活やビジネスシーンで目にする機会が多いスタックという言葉は、英語由来の片仮名語です。

語源の英語は2種類あり、状況によって意味が異なります。スタックの意味と由来や、ビジネス・IT業界・ゲーム業界で使われるスタックについて解説します。

「スタック」の意味と由来

例えば『車がスタックして動かない』と『食器をスタック収納する』で使われる『スタック』は、それぞれ意味が異なります。

『スタック』の二つの意味と、言葉の由来について解説します。同じスタックでも意味が異なるため、正確に理解しておきましょう。

■行き詰まることを意味する「stuck」

スタックの一つ目の意味は、『動けなくなった』『固定された』『行き詰まった』などです。英語の『stick』の過去分詞形である『stuck』を語源としています。

この場合のスタックは、物理的にも比喩的にも使われます。物理的なスタックは、車が雪や泥にタイヤを取られ、空転して動けなくなった際に使うのが一般的です。

比喩的には、『急な用事が入り、計画的に進めていた部屋の大掃除がスタックしてしまった』のように使います。

■積み重ねたものを意味する「stack」

スタックには、『積み重ねる』『積み上げたもの』という意味もあります。この場合のスタックは『stack』という英単語を語源にしており、『stuck』とは違う意味を持っていることを覚えておきましょう。英語の『stack』は、『積み重ね』『(積み上げた)山』などを意味します。

例えば、アウトドア用品や家庭用品で見かける『スタッキングできる食器』は、『重ねてコンパクトにできる食器』ということです。

ビジネスにおける「スタック」とは

ファイルを手に頭を抱える

(出典) pixta.jp

ビジネスシーンでも、スタックという言葉を使うシーンが多くみられます。具体的な使い方やシチュエーションについて、詳しく解説します。

■ビジネスシーンにおける使い方

ビジネスシーンでは、プロジェクトや業務、自分の仕事が行き詰まってしまった際に、「業務がスタックした」のように使います。この場合のスタックは、stuckが語源です。

企業もしくは開発者が使用するテクノロジーツールの組み合わせを、『テクノロジースタック』といいます。こちらはstackを語源としており、プログラミング言語やデータベース、各種ツールなどの、技術の集合体を指します。

『フルスタックエンジニア』は、フロントエンドやバックエンド、ITインフラの構築・保守など、システム開発で幅広い技術を扱うエンジニアのことです。こちらもstackが由来になっており、多様な技術を積み重ねて使用できるエンジニアであることを表現しています。

■ビジネスで業務がスタックする原因

業務がスタックしてしまうと、業務効率が落ちてしまいます。万が一スタックしてしまった場合は、原因を特定して対策し、スムーズに業務を進めることが必要です。

業務がスタックする原因として、チーム内での業務配分の偏りが考えられます。業務配分が公平でないと、特定のメンバーに過度な負担がかかり、業務が滞ってしまうのです。

業務が属人化している場合も、業務のスタックにつながります。特定の担当者が不在だったり忙しかったりするときでも、他のメンバーでは対応できないため、その業務は停滞してしまいます。

また、コミュニケーション不足な環境でも、業務はスタックしがちです。メンバーや上司への確認・相談がしづらく、業務上の迷いやミスにつながるためです。

■ビジネスでのスタックを回避する方法

ビジネスで発生するスタックを回避するためには、業務状況を可視化し、メンバーごとの業務量や内容を把握することが必要です。各メンバーがどれくらいの業務を抱えているかを把握すれば、適切な役割分担を行い、業務の偏りを防げます。

業務の属人化を避けるためには、マニュアルを作成し、知識やスキルをチーム全体で共有する方法が有効です。どのメンバーでも、同程度に業務をこなせるようにしておきましょう。

また、チーム内での確認や相談、報告がしやすいように、コミュニケーションを取りやすい環境をつくる必要があります。例えば、定期的に報告の機会を設けたり、チャットなどのコミュニケーションツールを導入したりする方法があります。

業界ごとの「スタック」の使い方

タイピングをする手元

(出典) pixta.jp

日常生活やビジネスシーン以外で、業界用語としてスタックが使われるケースがあります。IT業界とゲーム業界における、具体的なスタックの使い方を紹介します。

■IT業界における使い方

IT業界では、さまざまな文脈で『積み上げたもの』(stack)という意味のスタックが使われます。

IT業界で『スタック』といえば、古いデータから新しいデータの順に並べて管理する、後入れ先出し方式(最初に入れたデータが最後に取り出される)のデータ構造を指します。『コールスタック』とは、プログラミング時に、関数の呼び出しや戻りを管理するデータ構造です。

『スタック・オーバーフロー』は、過剰なデータプッシュや再帰呼び出しにより、メモリが不足することです。スタック・オーバーフローは、システムの異常停止や暴走の原因になります。

■ゲーム業界における使い方

ゲーム業界におけるスタックは、stuckとstackの両方の意味で使われます。障害物に挟まれたり、バグによって動けなくなったりと、キャラクターが操作できなくなることを、『スタックする』(stuck)と表現します。

ゲーム内でアイテムを重ねて所持することを指すスタックは、stackの意味です。所持できるアイテム数に制限が設けられているゲーム内でも、限られた枠内でスタックすれば、所持できるアイテムの種類が増えます。ゲームにおいて、バフやデバフを重ねる際も、『スタックする』と表現されます。

カードゲームでのスタックはstackの意味で、解決されるのを待っている呪文や能力が入る領域を指します。プレイヤーは、スタックにある呪文や能力に対応策を講じることができるため、ゲームの面白さが深まるのです。

「スタック」の意味を正しく理解しよう

パソコンで作業をする

(出典) pixta.jp

片仮名語のスタックには、『動かなくなった』『行き詰まった』という意味のstuckと、『積み重ねたもの』を意味するstackの2種類があります。状況や文脈から、どちらの意味で使われているのか判断することが大切です。

スタックという言葉は、ビジネスシーンやIT業界、ゲーム業界など、さまざまなシーンで使われています。スタックが持つ意味を理解し、どのように使われているかを知れば、正確に意味を理解できるでしょう。

構成/編集部

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