どんな環境でも火を提供する
パリ五輪の聖火リレートーチは、燃焼部とガスボンベを新富士バーナーが開発
4月にギリシャで採火式が行われ、各地を巡るパリ五輪・パラリンピックの聖火リレーだが、このトーチの燃焼部とボンベは新富士バーナー(SOTOを展開する企業)が開発したものが採用された。
聖火リレートーチ燃焼部(左)には「プラチナランタン」(右)と同じプラチナのメッシュが搭載されていることがわかる
新富士バーナーが聖火リレートーチの燃焼部開発に取り組むのは、東京大会に続き2度目。
前大会同様、SOTO「プラチナランタン」でも使われているプラチナ発光と、「TriTrail」や「ウインドマスター」に採用されているレギュレーター技術を組み合わせることでどんな環境であっても火が消えにくい燃焼部を作り上げた。
レギュレーターを内蔵しており、横から見るとどことなく「ウインドマスター」や「TriTrai」を思わせる
トーチ心臓部にはホースが2つ伸びており、片方がプラチナ発光用で、もうひとつが赤い見せる炎のためにガスを送り込むもの。
パリ五輪の聖火リレートーチは先がすぼまっているため燃焼部の位置が異なり、また、走るとトーチの後ろから炎が旗のようにたなびく今までにない仕様。
そのため使っている技術は同じでも、ほぼ新設計となったのだとか。
「TriTrail」の炎
「TriTrail」の青い炎とトーチの赤い炎は印象がガラリと異なるが、どちらも必要とあらばどんな場所でも火を提供するSOTOの技術により生まれた炎。
はたして山にCB缶なんて…と疑う気持ちを払拭させられるか。この夏、五輪観戦とともに新しい楽しみが増えた。
【問】新富士バーナー
取材・文/大森弘恵