ヒップホップ用語のスラング「レペゼン」とはどういう意味？

若者を中心に使われる機会が増えてきた『レペゼン』の意味や使い方、由来となった英語について解説します。レペゼンをはじめとするヒップホップ用語を正しく理解し、適切に使えば、コミュニケーションの幅が広がります。

レペゼンはヒップホップ用語

レペゼンは日本のヒップホップ文化から生まれたスラングで、由来は英語の『represent』です。レペゼンの具体的な意味と使い方、英語の意味について解説します。

■レペゼンの意味と使い方

レペゼンとは、『～を代表する』『～を象徴する』という意味のヒップホップ用語です。ヒップホップやラップのシーンで頻繁に使われていましたが、音楽グループ『Repezen Foxx』の台頭により、若者の間にも広まりました。

レペゼンとは、個人やグループが自分のスタイルをアピールし、所属しているコミュニティー・価値観を象徴する際に使われます。例えば、ラッパーが自分の出身地を誇りに思い、パフォーマンスで表現する場合は、『レペゼン東京』のように、地名を入れて使います。

■レペゼンの由来となった英語の意味

レペゼンの元となった英語は『represent』で、『レプリゼント』または『リプリゼント』と発音します。『代表する』や『象徴する』の他に、『示す』『表現する』『演じる』という意味があります。

ヒップホップ用語として使われるレペゼンよりも、広い意味を持っていることを覚えておきましょう。レペゼンは和製英語にあたるため、英語圏では通じない点に注意が必要です。

レペゼンを使った例文

(出典) pixta.jp

レペゼンはヒップホップシーンや若者の間だけでなく、ビジネスシーンでも使われるケースがあります。それぞれのシーンでどのように使われているか、シチュエーションごとの例文を見てみましょう。

■ヒップホップ用語として使う場合の例文

ヒップホップシーンでレペゼンを使う場合の例文を紹介します。

例えば、ラッパーが言う「レペゼン大阪！」は、『大阪を代表している』という意味です。『レペゼン〇〇』の〇〇の部分には、出身地やグループ名などが入ります。

若者に人気の『Repezen Foxx』の前身である『レペゼン地球』は、『地球代表』を意味しています。

■ビジネスシーンで使う場合の例文

レペゼンはビジネスシーンで使う場合には注意が必要です。レペゼンはカジュアルな表現なので、以下のような使い方をすることが想定されますが、チームでのミーティング内のような内輪だけのシーンにとどめ、フォーマルな場所では使用しないように注意しましょう。

• レペゼン新入社員として、先輩方に感謝を述べます
• 彼はレペゼン営業部にふさわしい成績を残している

ヒップホップシーンで使われている場合と同じく『レペゼン〇〇』という形式で使用します。

■英語で使う場合の例文

英語のrepresentを使用した例文と和訳を以下に紹介します。いずれも、『代表する』『示す』『表現する』という意味でrepresentを使用しています。

• He represents our team.（彼は私たちのチームを代表しています。）
• The numbers on the chart represent significant growth.（グラフの数字は、大幅な成長を示しています。）
• Our new marketing campaign represents the innovative spirit of our brand.（私たちの新しいマーケティングキャンペーンは、当社のブランドの革新的な精神を表現しています。）

英語のrepresentはレペゼンよりも広い意味を持つため、文脈で正しい意味を把握しましょう。

レペゼン以外のヒップホップ用語

(出典) pixta.jp

レペゼン以外に、日常的に使われているヒップホップ用語を二つ紹介します。いずれも、若者から広がるカジュアルな言葉である点を覚えておきましょう。

■雰囲気やノリを表す「バイブス」

その場の雰囲気やノリを表す際に使われる『vibes（バイブス）』も、レペゼンと同じくヒップホップ用語です。ひと口にバイブスといっても、気合いやフィーリングを表しているケースもあり、使用されるシチュエーションによってさまざまな意味で使用されます。

バイブスも和製英語であり、語源は『vibration』です。英語のvibrationは、『振動』『震え』の他に、『感覚的な反応や感触』を意味します。

若者に人気の女性タレントがバラエティー番組で使用したことをきっかけに、一般的な用語として広まりました。例えば、「バイブス上がってきた！」は『テンションが上がってきた』、「うちらバイブスが合うよね」は『私たちは気が合うね』という意味です。

■かっこいいという意味を持つ「ドープ」

『かっこいい』や『最高』などの、ポジティブな意味を持つ『dope（ドープ）』も、レペゼンやバイブスと同じくヒップホップカルチャーで頻繁に使われる用語です。一般的に、音楽やファッションなどに対する称賛の表現として使われています。

『dope』の語源は『濃いソース』を意味するオランダ語『doop』とする説があります。後に薬物使用の意味を持つようになりました。この意味が転じて、『バカ』『まぬけ』『麻薬常用者』などを表すスラングとしても使われているため、ネガティブな意味で捉えられないよう注意しましょう。

例えば、「このバンドの新曲、めっちゃドープだよね」と言った場合は、『このバンドの新曲はとてもかっこいい』という意味になります。

レペゼンの意味を理解し適切に使おう

(出典) pixta.jp

レペゼンとはヒップホップ用語で、『代表する』『～を象徴する』を意味します。若者から広がり、日常生活で耳にする機会のある言葉ですが、カジュアルな表現なので、チーム内など内輪での使用にとどめましょう。

レペゼンやバイブス、ドープなど、一般的に使われているヒップホップ用語を会話に盛り込めば、親しみやすさや一体感を強調できます。コミュニケーションの幅を広げるためにも、言葉のニュアンスを正しく把握し、適切に使用しましょう。

構成／編集部