「デコ活」って聞いたことありますか?
「デコ活」という言葉を耳にしたことがあるだろうか?
字面からすると「いろんなものをデコレーションして気持ちをアゲる活動」のようにも思える(筆者も最初に見た時はそうイメージした)。だが実は、二酸化炭素(CO₂)を減らす(DE)脱炭素(Decarbonization)と、環境に良いエコ(Eco)を含む”デコ”と活動・生活を組み合わせた造語であり、環境省が推進している「脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動」なのだという。
2024年6月4日にはこの取組に賛同した経済産業省が、「デコ活宣言」を行った。GX(グリーントランスフォーメーション)を通じて
1) 脱炭素
2) エネルギー安定供給
3) 経済成長
の3つを同時に実現すべく、デコ活の取組を強力に推進していくとともに、再生可能エネルギー電力調達の推進や電動車の導入等に加え、テレワークの推進などの多様な働き方も推し進めていくという。
…とはいえ、聞けば聞くほど、「一切聞いたおぼえがない」というとまどいが増すばかり。ニュースでも新聞でもネットでも見た記憶がない。こんなに浸透していない「国民運動」ってあるだろうか。むしろ気になり、身近なネタはないものかと探してみた。
「デコ活」を取り入れると、年間43万円浮く!?
私たち個人がデコ活に賛同したいと思ったら、どんなアクションを起こせばいいのか。それをやるとどんないいことが起こるのか。その参考になりそうなのが、新国民運動・官民連携協議会による「デコ活応援団」が作成した「くらしの10年ロードマップ」だ。これは国民・消費者の行動変容・ライフスタイル転換を促し、脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを実現するための必要な方策・道筋を示したものだという。
上の図は、国民がデコ活に参加することにより、10年後にはこんなメリットを享受できるようになっている(はず)というイメージ図だ。各ジャンルでひとつひとつ見ていこう。
◎住宅(外)
*太陽光発電にすることで、年5.3万円電気料金がダウンし、災害時にも使える
*住宅の断熱化(窓・屋根・壁・床)を進めることで、光熱費が年9.4万円ダウンし、ヒートショック防止にもなる
◎住宅(うち)
*高効率給湯器を使用することで、電気代が年3.5万円ダウン
*省エネ家電(冷蔵庫・エアコン・HEMS)を使用することで電気代が年2.8万円ダウン
*節水(キッチン・洗濯機・シャワー・トイレ)をすることで、電気代が年1.6万円ダウン?
*クールビズ・ウォームビズを心がけることで、光熱費が年4千円ダウン
*LED照明に切り替えることで、電気代が年3千円ダウン
◎移動
*公共交通・自転車・徒歩での移動を心がけることで、年1.2万円の節約
*電動車への切り替えで年7.5万円の節約
…などなど、毎月3万6千円浮いて、年間43万円の節約になる、という。