はじめに
世界経済の新たな潮流として注目を集める国、それがインドです。2023年、インドは中国を抜いて人口世界一の国となったことは記憶に新しいと思います。
現在、インドの人口は14億人を超え、その膨大な人口がインドの経済成長を強力に支えています。特に若年層の多さがインドの急成長を支える重要な要素となっているのです。
そこで今回は世界経済の新潮流として「インド」のポテンシャルについて解説していきます。
インドは今後40年先まで人口増加する
インドの人口は1960年時点で約4億4,083万人でしたが、2023年には14億2,202万人に達しました。人口増加は今後40年続くとされており、国連の推計では、インドの人口は2064年に16億9,704万人とピークを迎えるとされています。
またインドの平均年齢は2023年時点で28.2歳です。日本の平均が48.4歳なので、いかにインドが若い国であるのかを実感するのではないでしょうか。
これから人口増加をしていくインドは、日本の高度成長期のように、若い労働力の増加によって様々な産業で活躍するチャンスに恵まれることになります。
労働力=経済力へと直結することから、今以上に世界経済におけるインドの影響力が増すことを意味しているのです。
インド経済を牽引する内需市場の活況
インドの経済成長は、内需依存型ビジネスモデルです。国内総生産(GDP)の約60%を占める家計消費は、経済成長とともに急速に拡大する中間層の台頭により、今後も増加の一途をたどることが予想されます。
2023年度のインフラ整備費用は10兆ルピー(約16兆円)に達し、これはインド国内の内需市場の活況を示す重要な指標です。公共事業の大規模な拡大は国内の消費活動を刺激し、持続的な経済成長を強力にサポートしています。
またインドの内需市場は、都市部と農村部の二極化した消費パターンが特徴です。都市部ではテクノロジーやサービス業の成長が顕著であり、高い購買力を持つ消費者層が形成されています。一方、農村部でもインフラ整備とともに生活水準が向上し、消費市場の拡大が進行中です。
特にインフラ投資がもたらす経済効果は大きく、道路、鉄道、電力供給などの整備が地域経済を活性化させています。これにより、都市と農村の経済的な結びつきが強まり、全体としての消費活動が底上げされるのです。
インフラ整備への大規模な投資は、短期的な経済刺激だけでなく、長期的な成長基盤の強化にも繋がっています。
たとえば道路網の整備は物流の効率化を促進し、製造業や農業の競争力を高めます。また電力供給の改善はハイテク産業のさらなる発展を支え、経済全体の生産性向上に繋がります。
さらにインフラ投資は地方経済の発展をもたらし、雇用創出や所得向上を通じて、消費活動の増加を引き起こします。これにより、インド経済は内需市場を中心に、より強固な成長軌道を描くことが可能となるのです。