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DJIがエベレストで輸送ドローンの試験飛行に成功、べースキャンプと第1キャンプ間の機材やゴミの往復輸送を実施

2024.06.14

DJIはネパールのドローンサービス会社のAirlift、映像制作会社の8KRAW、ネパール公認山岳ガイドのMingma Gyalje Sherpaと共同で、エベレスト山(チョモランマ)における世界初の輸送ドローンの試験飛行を成功させた。

極限の高度・環境条件下でもDJI FlyCart 30の能力を証明

2024年4月に実施されたこの試験飛行は、航空界における大きな転機であり、また、エベレストの極限の高度・環境条件下でも15 kgの積載量を運ぶことができるといったDJI FlyCart 30の優れた能力を証明することにもなった。

テスト中、酸素ボトル3本とその他の物資1.5 kgをエベレストベースキャンプから第1キャンプ(海抜5300~6000m)まで空輸し、復路ではゴミを持ち帰った。

DJIシニアコーポレート ストラテジーディレクターChristina Zhang氏は、今回の成果を受けて、以下のようにコメントしている。

「4月末から、チームはエベレストの清掃活動をより安全で効率的にするための画期的な取り組みに着手してきました。

当社のDJI FlyCart 30が任務を無事達成できたことをうれしく思います。ドローンを使用して機材や物資、廃棄物を安全に輸送することができるということは、エベレスト登山のロジスティクスに革命をもたらし、ゴミ清掃活動の促進、関係者全員の安全性向上に関する可能性を秘めていることを意味します」

<輸送実験の様子はこちらからチェック>

■危険とコストが大きいため、ヘリコプターはほとんど使われない

ドローンを使ったエベレストのべースキャンプと第1キャンプ間の機材・ゴミの往復輸送に今回、初めて成功した。

これらのキャンプ地は、登山中、最も危険なステージであるクンブ氷瀑によって隔てられている。理論上、ヘリコプターでも同じ飛行作業が可能だが、危険とコストが大きいため、ほとんど使われることはない。

輸送飛行に着手する前に、DJIのエンジニアは、-15℃〜5℃の温度範囲、最大15 m/sの風速、海抜6000mを超える高度など、エベレストの過酷な環境条件を考慮した。

その後、DJI FlyCart 30で無負荷時ホバリング試験、風圧抵抗試験、耐低温試験、および徐々に重くなる積載量での重量容量試験を含む厳格な試験が実施された。

■より安全な山岳活動の実現を目指して

従来は、エベレストでの物資の輸送とゴミの撤去は、現地シェルパ族のガイドの責任だった。彼らは、酸素ボンベ、ガスボンベ、テント、食料、ロープなどの物資を輸送するために、シーズン中、30回以上氷瀑を渡らなければならないこともある。

「この氷瀑を歩くのに毎日6~8時間かかります」とイマジン・ネパールの山岳ガイドMingma Gyalje Sherpaは述べている。

「昨年、3名のシェルパを失いました。運が悪ければ、また、タイミングが悪ければ、そこで命を落とすことになります」

クンブ氷瀑を通る危険な登山は、通常、気温が最も低く、氷が最も安定している夜間に行なわれる。DJIの輸送ドローンは、特別な改造が施されていないにもかかわらず、昼夜を問わず、キャンプ地間を、往復12分で15 kgの荷物を運ぶことができる。

DJIの輸送用ドローンは、危険なクンブ氷瀑を何度も命の危険を冒して進むシェルパ族の負担を軽減することも目的としている。

■エベレスト山のゴミ清掃活動に協力

登山者1人あたり8kgのゴミがエベレストに残されると推定され、清掃活動の甲斐もなく、推定何トンものゴミがエベレストの斜面に残される。

この件に関して同社では「ドローン技術によって清掃作業員の負担が軽減されるのであれば、DJIは協力を惜しみません。DJI FlyCart 30は、ゴミや排泄物を効率的に山から運び出すことができ、シェルパがクンブ氷瀑を通る回数を減らすことができます」と説明している。

■ドローン輸送の未来に革命を

エベレストの登山シーズンは4月と5月に制限され、それ以外の期間は悪天候のため、あらゆる活動やドローンテストが制限されている。

しかし、最近試験が成功したことを受け、ネパール政府は、地元のドローンサービス会社と契約し、5月22日からエベレスト南斜面でドローンによる輸送業務を開始した。

標高が高い地域での輸送ドローンの導入は、厳しい環境下での安全性と効率性の向上を約束するだけでなく、環境保全と登山業界の持続可能な発展における輸送ドローンの重要性を改めて認識させるものだ。

2024年1月に全世界で発売されたDJI FlyCart 30は、現地のユーザーのニーズや課題に合わせた実用的な輸送ソリューションを提供する。

このドローンは、日本においては林業の苗木運搬や電力架線工事、メキシコにおいては太陽光発電設備のイノベーション、ノルウェーにおいては山火事救助活動の支援、南極においては科学研究活動の改善などに活用されている。

関連情報
https://www.dji.com/jp

構成/清水眞希

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