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動画コンテンツをテレビで見ている人の割合、20代と60代ではどれくらい差がある?

2024.06.12

かつては映像作品を家庭で見るのにはテレビが欠かせなかったが、今ではスマホやPCさえあればいつでもどこでも視聴できるようになった。こうした時代の変化によって「若者のテレビ離れ」が叫ばれて久しいが、実際のところ、本当に若年層はテレビを観なくなったのだろうか?

パフォーマンステクノロジーネットワーク「afb」の開発運用を行うフォーイットはこのほど、全国の20代~60代までの男女500人を対象に「暮らし」に関するアンケートを実施し、その結果を発表した。

動画コンテンツを視聴するメディアは「テレビ」が51.6%で最多に

全国の20代~60代の男女を対象に、「動画コンテンツを何で視聴しますか?」というアンケートを実施したところ、最も多かった回答は「テレビ」で51.6%となった。次いで、「パソコン」が41.8%、「スマートフォン」が39.4%という結果になった。また、「その他」の回答としては、「ゲームコンソール」などの回答が得られた。一方、「動画コンテンツは見ない」と回答した人は18.6%となった。

男性はPC、女性はスマホで動画コンテンツを観る傾向

男女別で見ると、男女ともに最も回答が多かった「テレビ」ではほとんど差がなかったが、「パソコン」では男性の回答率が約13%高く、「スマートフォン」では女性の回答率が約5%高くなった。テレビ以外では、男性はパソコンを、女性はスマートフォンを利用して動画コンテンツを視聴する傾向にあるようだ。

総務省が発表した「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」*1によると、パソコンの利用率は男性が69.6%、女性が53.1%となっており、普段の利用率が今回の結果にも影響していることが考えられた。

*1:総務省情報通信政策研究所「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」

テレビの視聴割合、60代が63.0%なのに対し、20代は35.0%と2倍近くの差

年代別で見ると、「テレビ」と回答した人は60代が63.0%だったのに対して20代は35.0%と2倍近くの差がついており、若年層のテレビ離れが顕著に表れている。

20代の単身世帯では、そもそもテレビを保有していないという方も多いのかもしれない。一方、「スマートフォン」と回答した方は20代から40代が多くなり、日々の利用率が90%以上*2のスマートフォンで動画コンテンツを視聴するという文化が浸透しつつあることが伺える。

その一方で、「動画コンテンツは見ない」では20代が27.0%と全年代で最も多いという結果になった。最近では、動画サイトやSNSで数十秒から数分程度のショート動画が若い世代を中心に流行しているが、テレビやドラマなどの番組は数十分から1時間程度のものが多く、タイムパーフォマンス(タイパ)を重視するZ世代にとっては“当たり”のコンテンツを探すには長すぎるという事情があるのかもしれない。

*2:総務省「第1部 特集 デジタルで支える暮らしと経済」

子どもがいる人のほうが、子どもがいない人よりテレビを視聴していることが判明

子どもの有無で見ると、「テレビ」のみ子どもがいる人の回答が多く、それ以外の項目では子どもがいない人の回答が上回るという結果になった。

小さな子どもがいる家庭では、親の目の届く範囲で視聴できる点や、不適切なコンテンツに触れるリスクが低い点から、仕事や家事で手が離せない時の対応法の1つとしてテレビを利用している人が多いのかもしれない。また、パソコンやスマートフォンよりも大きい画面で視聴できるため、家族で一緒に視聴する際にもテレビを利用している方が多くなったことが考えられる。

現在ではインターネット上でテレビ番組を視聴できるサイトや、過去の作品をいつでも視聴できるサブスクリプションなど、さまざまなサービスが登場したことで、テレビだけでなくパソコンやスマートフォンでも番組を視聴できるようになった。SNSや動画投稿サイトの発展により、誰でも動画コンテンツのクリエイターになれる時代になったことで、テレビ番組など従来の動画コンテンツを制作してきたメディアも視聴者を確保するためにさまざまな施策を練っていることが伺える。

<調査概要>
対象者:20歳~69歳の男女
サンプル数:500人
居住地:全国
調査方法:ネットリサーチ
アンケート実施日:2024年3月28日

出典:afb(株式会社フォーイット)

構成/こじへい

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