映画の新たな流通の形として今話題なのが「DVT」だ。
DVTとは「デジタル・ビデオ・トレーディング」の略称で、簡単に言えば「映像作品を購入すると視聴だけでなく、第三者への再販売やレンタル、非営利の上映などもできるサービス」のこと。
すでに今年4月からスタートしているこのサービス。作品を購入するには、映像流通プラットフォーム「Roadstead(ロードステッド)」のサイトでアカウントを作成すればOK。販売中のコンテンツはクレジットカード決済で購入可能。「ロードステッド」上のみで作品を楽しむことができる。
ここまでの説明で、今まであったような劇場での上映やDVD、動画配信とは少し違うサービスだとお分かりだろう。そして、なにかワクワクするような魅力に溢れていると感じるはず。
さらにDVTの素晴らしさを実感していただくため、以下より詳しく紹介していこう。
クリエーターの作品が有益なコレクションとなるDVTの魅力
その(1) 作品の所有者になれる
DVTの映像作品は個数限定販売のデジタルコンテンツのみ。購入者は単なる視聴者ではなく、その作品の「所有者」になることができる。
数量限定に加え、コンテンツには固有のシリアル番号も付与されており、基本的に所有した者しか観られないという特別感も堪能できる。よくある、「自分だけが持っている限定品」を映画・動画作品で味わうことができるということ。
その(2) 3つの権利が所有者に与えられる
コンテンツを購入した「所有者」は、自分で視聴する以外に「リセール」、「レンタル」、「スタニング」の3つの権利を持つことができる。
■「リセール」とは…
他の人に再販売する権利で、「ロードステッド」上での再販売が可能。価格も自由に決められ、売買成立の際は価格の2割が手数料として引かれ、監督などの制作陣に収益が分配される。
ただし、売買が成立すると所有者ではなくなるため、該当作品を視聴・販売・レンタルすることができなくなる。
■「レンタル」とは…
その名の通り、コンテンツを他の人に貸し出すことができる権利で、これも所有者が価格と期間を決めることが可能。最低価格は作品ごとに決まっており、レンタル料の1割が所有者に入り、その他は手数料と制作陣の収益となる。
ただし、レンタル期間中、所有者は視聴できない。
■「スタニング」とは…
これは所謂「推し活」を意味するもので、所有者がコンテンツのファンを広げる活動のこと。本来、購入したDVDを友人知人に観せることは法的にNGだが、自宅に友人を招いて上映会を開くなど無償での共有がOKとなる。
これは、制限できないオフラインの行動を最初から認めてしまうことでファン拡大、認知度を上げる狙いもあるという。