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米国の経済成長は減速、ユーロ圏は回復傾向、今後の世界経済見通しは?

2024.06.14

シュローダー・インベストメント・マネジメントから四半期マクロ経済見通し(2024年4-6月期)が発表された。本稿では同社リリースを元に、その概要をお伝えしていく。

基本シナリオ

■米国

2024年第一四半期に米国の経済成長は減速したが、一過性の要因によるものであり、むしろ、基礎的な需要は堅調だったと考える。

一部の経済指標は労働市場の軟化を示唆しているが、実体経済へ悪影響が直ちに生じるとは考えておらず、当面の間は、実質賃金の上昇が消費を下支えするとみている。

その結果、米国経済は足元の市場予想を上回るペースで成長し、2024年に2.7%、2025年に2.1%の成長率を達成すると予測する。旺盛な需要を受けて、米国の消費者物価指数(CPI)の減速の勢いは鈍化し、インフレ率は2024年に3.1%、2025年に2.2%になると考える。

CPIが想定より高い水準で推移するとの見込みから、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ幅は合計75bpsになるとみている。

■ユーロ圏

ユーロ圏経済は緩やかな景気後退に陥っていたが、2024年第一四半期に回復した。経済成長率は、従来の見通しから上方修正して2024年に0.9%、2025年に1.8%になると予測。

また、足元のインフレが想定より根強いことを踏まえ、2024年のインフレ率見通しについても従来の2.1%から2.3%に引き上げた。ただし、インフレ圧力は長くは続かないとの見方から、2025年インフレ率については従来予想の2.8%から2.4%に引き下げた。

欧州中央銀行(ECB)は6月に利下げを開始し、合計150bpsの利下げを実施すると考える。

■英国

英国経済は2024年第一四半期に景気後退から回復して、2024年に0.7%、2025年に1.3%成長すると考えている。

その他地域と同様、インフレは減速基調にあるものの、目標インフレ率への回帰には想定より時間を要するとみており、インフレ率は2024年は2.6%、2025年は2.8%になると予想。イングランド銀行(BoE)は夏頃に利下げを開始して、合計100bpsの利下げを実施すると考える。

■エマージング諸国

エマージング国経済については、2024年に4.3%、2025年に4%と堅調な成長を見込む。中国経済は、2024年第一四半期に市場予想比で堅調に成長したほか、製造業の景気サイクルが好転する中、引き続き好調を維持すると考える。

また、その他エマージング国に関しては、インフレ鈍化と金利低下が経済活動を下支えし、さらには中南米など一部地域にとってはコモディティ価格上昇が支援材料になるとみている。

■今後想定される他のシナリオ

堅調な経済が需要を支えており、インフレ圧力が根強いことを踏まえ、基本シナリオは前回よりも「リフレーション」の方向に調整したほか、基本シナリオ以外で最も可能性の高いリスクシナリオとして、リフレーションシナリオの「消費者ブーム」を想定している。

その他のリスクシナリオとしては、スタグフレーションシナリオの「インフレの第二波」、経済成長を維持しながらインフレ抑制を達成する「生産性向上」、デフレーションシナリオの「2025年の米国景気後退」や「中東情勢のさらなる緊迫化」を想定している。

世界の実質GDP成長率見通し

■シュローダー・エコノミクス・チームによる見通し(基本シナリオ)

出典/シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社

関連情報
https://www.schroders.com/ja-jp/jp/intermediary/

構成/清水眞希

本資料は、情報提供を目的として、シュローダー・インベストメント・マネージメント・リミテッドが作成したレポートを、シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社が和訳および編集した資料に基づき、DIME編集部が編集したものです。
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