梅雨を目前にして、ますます気候が暖かくなってきた今日この頃。雨さえ降らなければ、バイクに乗るにはベストシーズンです。
本格的な夏に入る前に出かけたいツーリングスポットといえば…海! ではないでしょうか!?
今回は、四国の中でもちょっとだけ本州からのアクセスが難しい、高知県・愛媛県のオススメツーリングスポットをご紹介します。
四国最西端「佐田岬」
佐田岬半島は、愛媛県にある四国最西端の地です。全長約40kmに対して幅は約0.8~6.4kmと、日本で一番細長い半島としても知られています。
まずは半島へ入るまでの道、国道378号は海のすぐ隣を走り抜けられる快走路。特に晴天の日は、軽く流すだけでも気分爽快です!
半島に入ってからのメイン道である国道197号も、人気のツーリングスポット。『佐多岬メロディーライン』という名称で知られており、路面に刻まれた溝とタイヤの摩擦により、『みかんの花咲く丘』の音楽が聴こえるユニークな道なのです。
残念ながらバイクのタイヤではうまく聴こえないのですが、駐車場に停まって目の前を通り過ぎる車に耳を澄ませれば、なんとなくメロディが流れていくのがわかるような気がします。
佐多岬メロディーラインは山の中を通っているため、海はほとんど見えませんが、道の駅 佐田岬半島ミュージアムや道の駅 伊方·きらら館など、道中の道の駅の屋上には展望台が整備されています。美しい海や、遠くに見える本州と瀬戸内海の島々、行きかう船や魚の養殖場など、壮大な景色が一望できますよ。
また半島の中央付近にある『せと風の丘パーク』では、巨大な羽を回す11機もの風車を見ることができます。入り口がちょっぴり目立ちにくいので、看板を見逃さないように気を付けてくださいね!
さて、ライダーといえば、半島や岬の先端が大好物です。佐多岬半島の先端はどんな場所かというと…『佐多岬灯台』がそびえたち、荒い波とゴツゴツした岩を見下ろす迫力ある景色が広がっていました。
バイクで行けるのは岬の途中までで、本当の佐多岬の先端に行くには、駐車場から片道30分ほどを徒歩で向かう必要があります。先端を目指す方は時間に余裕をもって、そして歩きやすい靴を用意しておくとスムーズですよ。
先端付近の道路は非常に狭く、見通しがあまりよくありません。特に小回りの効かない大きいバイクで向かう方は運転に気を付けてくださいね!
宇和島周辺の島々と岬
佐田岬よりも少し南、愛媛県宇和島市周辺の海岸線では、入り江と半島が折り重なってリアス式海岸が構成されています。それらを眺めながら海沿いの道をバイクで流すのは、最高に贅沢な時間ではないでしょうか。
訪れたのは、宇和島市街地のすぐ西側に位置する九島です。1周12kmほどと小さな島なのですが、短い区間の中に島ならではの景色がギュッと詰まっているのです。
例えばガードレールもない車1台分ほどの狭い道では、陸側からはゴツゴツした地層や木々の生命力あふれる主張が、海側からは吹きつけてくる風の中に濃い潮の香りが感じられます。
大地の力で捻じ曲げられた地層には、力強さが感じられます。山や海の迫力がこんなにもヒシヒシと感じられるのは、島ならではです!
さらに小さな漁港のまわりでは、漁に使う道具が干されていたり、小型のボートが美しく整列している様子が見られたりします。地元の方にとってはなんでもない景色かもしれませんが、見慣れぬ風景の中をバイクでトコトコ走ることで、「島っぽさ」を実感できる瞬間です。
この日九島で発見したのは、大量の網と、ゴミ捨て場に積まれた大量の貝殻でした。
貝の養殖が盛んな地域であったとしても、これほどたくさんの貝殻が生産地で廃棄されているのは不思議です。殻付きのまま出荷できない種類の貝なのでしょうか? それとも、缶詰などに加工して出荷しているのでしょうか??
近寄って見てみると…すぐに答えはわかりました!
「アコヤガイだ! そうか、この島では真珠を養殖しているんだ!!」
そう、実は宇和島は日本産真珠の三大産地に数えられる地域。周辺の海に浮かぶたくさんの黒いフロートは、アコヤガイが約2年間かけて成長していくための養殖場だったのです。
九島よりも南側にある由良半島で撮影したものではありますが、周辺の街をよく見ると、マンホールには「真珠貝のふる里」という文字も。昔から、この地域で真珠が大切に育てられたことが伝わってきた瞬間でした。