「事前の期待相当」以上は当たり前!? 男性では年代が上がると満足度が下がる傾向
一番最近で夕方以降に初めて利用した飲食店について、利用後の満足度を尋ねたところ、「事前の期待相当以上・計」(「事前の期待を超えて満足」+「事前の期待相当」の割合)は87.0%だった。
性年代別で見ると20 代男性が最も高く91.7%に達し、50 代女性が最も低く83.5%となっている。「事前の期待相当以上・計」はどの性年代でも8 割以上に達しているため、他の飲食店との差別化においてはあまり意味のある指標とは言えないだろう。
一方「事前の期待を超えて満足」の割合をみると、回答者全体では32.4%だが、20 代男性に限ると44.0%と高かった。
逆に、最も割合が低かったのは、60 代男性で26.0%。男性では、年代が上がるほど、「事前の期待を超えて満足」の割合が下がる傾向にあり、外食経験の豊富さからか、年配者に期待を超えて満足させるのは、やや難度が高くなる傾向があるようだ。
▼お店の満足度
事前の期待内容と利用後の満足度の関係性も集計。どんな期待を抱いた人が「事前の期待以上・計」(「事前の期待を超えて満足」+「事前の期待相当」)が多いか見たところ、どの期待内容でも「事前の期待以上・計」はおおむね9 割以上に達し、大きな差異はなかった。
一方、どんな期待があると「事前の期待を超えて満足」の割合が高いかに注目すると、「お店のテーマが魅力的」と期待した場合で46.3%と最も高く、次いで「特定の調理方法にひかれた」「お店の人の対応やホスピタリティが良さそう」と期待した場合で同率の45.3%となっている。
このことから、「事前の期待相当」以上の満足度を与えることはそこまで難しくはないものの、他店との差別化のためにはさらに一段上の「事前の期待を超えて満足」を目指すことが重要であると言えそうだ。
▼お店の満足度 [期待した内容別]
初来店で「強いリピート意向」を持った人は27.0%!「事前の期待を超える満足」がリピーターを生む
一番最近で夕方以降に初めて利用した飲食店について、利用後のリピート意向を尋ねた。
「リピート意向あり・計」(「すでにリピートした」+「すぐにリピートしたい」+「いつかはリピートしたい」の割合)は全体で85.0%であり、性年代別に見ても各性年代とも8 割以上に達するが、一般的な外食頻度を考えると、この範疇に入っても現実はそこまでリピートされないかもしれない。
次に「リピート意向が強い・計」(「すでにリピートした」+「すぐにリピートしたい」)で見ると全体では27.0%に達し、性年代別では20 代男性で最も高く30.2%で、20 代女性で最も低く22.6%であった。
同じ20 代でも男女でリピート意向は大きく違っていることが判明。若い世代は人口減少もあって、積極的にターゲットとして設定するにはリスクを感じる飲食店経営者もいるかもしれないが、20 代男性については、事前の期待が高く、満足度もリピート意向も高いことから、将来にわたって来店が期待できる可能性を秘めていることには留意しておきたい。
▼お店のリピート意向
満足度とリピート意向との関係性を集計した。「リピート意向が強い・計」は、回答者全体では27.0%であるが、「事前の期待を超えて満足」した場合には最も高く37.5%に達する(全体に比べ+10.5 ポイント)。
一方、「事前の期待ほどではない」「事前の期待より大きく劣る」場合は順に12.9%、10.6%にまで下がる(全体に比べ-14 ポイント以上)。これらのことから、満足度の高低はリピート意向の強さに、当然のことながら一定の影響を及ぼすことがうかがえる。
リピーター獲得のためには「事前の期待を超える満足」の提供が重要な条件であると言えそうだ。
お店のリピート意向 [お店の満足度別]
調査概要
調査名:外食市場調査(2024年3月度)
調査方法:インターネットによる調査
首都圏、関西圏、東海圏における、夕方以降の外食および中食のマーケット規模を把握することを目的に実施した調査(外食市場調査)の中で、外食のお店選びの経緯や事前の期待度、期待を感じさせた情報源や期待した内容、利用した結果としての満足度やリピート意向などを聴取。
調査対象:首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県)、関西圏(大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、滋賀県)、東海圏(愛知県、岐阜県、三重県)に住む20~69歳の男女(株式会社マクロミルの登録モニター)
関連情報
https://www.hotpepper.jp/ggs/
構成/Ara