「ポン・デ・リング」を超える定番商品となるか?ミスドから食感に特化した新シリーズ「MASTER DONUT」が登場
2024.06.11■連載/阿部純子のトレンド探検隊
新シリーズ第一弾は“さっくりでしっとり”の「MASTER DONUT フロマージュ・ド」
ミスタードーナツが6月12日から新発売するのが、「今までに食べたことのないドーナツ」をテーマに開発した新食感ドーナツ「MASTER DONUT フロマージュ・ド」(以下、フロマージュ・ド)。
「フロマージュ・ド・オリジナル」(テイクアウト226円、イートイン231円)、「フロマージュ・ド・ダブルクリーム」「フリマ―ジュ・ド・ブルーベリー」(共にテイクアウト259円、イートイン264円)、「フロマージュ・ド・ティラミス」(テイクアウト270円、イートイン275円)の全4種を期間限定で発売する。
フロマージュ・ドの特長は、生地にチーズを練りこんだチーズドーナツ生地による、“外側はさっくりで内側はしっとり”の新食感。開発を担当した、ダスキン ミスタードーナツ事業本部 企画開発本部 商品開発部 鈴木美樹氏はこう話す。
「チーズを練り込んだドーナツ開発は、歴代開発担当者が試作、開発を続けていましたが、フロマージュ・ドでようやく商品化でき、今までのミスタードーナツにはない新しい食感のドーナツを提供いたします。
開発当初の生地の配合では重たく口どけの悪いドーナツとなってしまったため、しっとり食感の再現としてミックス粉とチーズクリームの配合バランスの研究を重ね、ミックス粉は水と油のように混じり合わないものを均一に混ざりやすくするために、起泡性の乳化剤などを使用して、スポンジのようなドーナツ生地が完成しました。
加えてなめらかな口どけの良さを再現するために粉の選定や、粒度の細かい小麦粉を使用することで解決しました。
練り込み用のチーズクリームはフロマージュ・ドの専用素材として、クリームチーズ、マスカルポーネチーズ、ゴーダーチーズの3種類を選定。チーズクリームを混ぜることでしっとり感を維持することが可能となりました」
「フロマージュ・ド オリジナル」:チーズドーナツ生地に、アプリコットナパージュでつや感を出し、アプリコットの甘みと生地本来のおいしさをシンプルに楽しめる。
「フロマージュ・ド・ダブルクリーム」:チーズドーナツ生地にチーズホイップとホイップクリームのダブルクリームで仕上げることで軽い食感をプラス。
「フリマ―ジュ・ド・ブルーベリー」:チーズドーナツ生地にチーズホイップとブルーベリーソースをトッピング。チーズホイップのコクとブルーベリーの酸味が楽しめる。
「フロマージュ・ド・ティラミス」:チーズドーナツ生地にエスプレッソフィリングをサンド。チーズホイップとココアでほろ苦いティラミス仕立てになっている。
4種類を一気に楽しめるテイクアウト専用セット商品「フロマージュ・ド 新食感 体験セット」(1014円)も同時発売。
【AJの読み】ポン・デ・リングを超える定番になるか?
現在、ミスタードーナツでは、最高水準の素材と技術を持ったブランドと共同開発した「misdo meets(ミスドミーツ)」、秋冬のさつまいもや春の桜もちっとドーナツ、冬のポン・デ・ショコラなど季節商品、創業当時からある商品、昨年販売20周年を迎えたポン・デ・リングなど人気の定番商品、食事系ドーナツメニュー「ミスドゴハン」の4つのカテゴリーのドーナツを展開している。
今回新たにお披露目されたのが、5つめのカテゴリーとなる「MASTER DONUT(マスタードーナツ)」だ。マスタードーナツは、ドーナツの可能性を追求し、今までにない新たな食感や組み合わせなどのおいしさを作り出す新シリーズとして提案していくという。
フロマージュ・ドは、外側はイーストドーナツのようなさっくりとした食感、内側はしっとりとやわらかい食感で、2つの食感を同時に楽しめる。
ただ、生地に練りこんだチーズの風味は思ったほど感じることができず、しっとり系のドーナツは他のブランドでも出ていることから、フレンチクルーラーやポン・デ・リングが登場したときのような、驚きまでは至らなかったのが正直な印象。
とはいえ、200円台の価格で提供できるのはやはりミスドの強み。部活や会社の同僚など、数を必要とする差し入れでは、渡す方も受け取る方もうれしいことは間違いない。暑い時期はクリーム系だと溶ける可能性もあるので、差し入れの場合はナパージュのみの「フロマージュ・ド・オリジナル」がおすすめかも。
取材・文/阿部純子